組織文化:会社の雰囲気は企業選びのポイント

会社の雰囲気に好感を持ってもらえば、職務に適した人材の獲得は、必ずしも難しいことではありません。能力的な面にばかり目がいってしまうと、職場の文化にうまく馴染み、仕事を上手に進められる貴重な人材を逃してしまいます。採用担当者は面接の際に組織文化について十分な情報を提供しましょう。ハード面もソフト面もフィットする人材を見つけやすくなるはずです。

実は、求職者側も自分に合った職場を探しています。社会調査の専門家、マーク・マクリンドル氏によると、このことはとりわけ自分が会社の雰囲気に合わせるのではなく、自分に合った会社を探す傾向にあるジェネレーションY世代に当てはまるとしています。

しかし、求職者が本当に自分に合った会社かどうかを判断するには、組織文化について把握しておかなければならない重要な情報が幾つかあります。

職場の構造
たいていの会社の権力構造は2タイプに分けられ、職場の雰囲気は、そのどちらであるかによって左右されます。ひとつは、保守的なトップダウン型の階層(ピラミッド)があって、すべての権限が上級管理職に集中し、これらの役職者が部下の仕事を管理する会社です。

もうひとつは、よりモダンで「フラット」な構造をしており、具体的な目的に応じて責任を振り分けることにより権限を分散し、自分達の仕事をチームで管理する会社です。

マイケル・E・ガーバー氏(『The E-Myth Revisited』、邦題:『はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術』の著者)が「職人」と呼んでいるタイプの社員は、自身の責任が自分の業務に限定される階層型の会社に適していると言えます。しかし、起業家精神が旺盛で、やりがいのある課題を求め、自己管理できる自由を欲するタイプの社員もいます。「職人」タイプの社員がフラットな組織ではストレスを感じる一方で、「起業家」タイプの社員は、ピラミッド型の組織では生来の本能を抑え込まれてしまうでしょう。

報酬
能力の高い社員は通常、個人の報酬がパフォーマンスに直結していればいるほどモチベーションを高めます。一方、帰属意識を大切にする社員は、個人ではなくむしろチームの成功を重んじます。変化と成長を必要とする社員もいれば、安定性を求める社員もいます。ある人にとって「チャレンジ」であるものが、別の人にとっては「ストレス」になり得ます。採用前に報酬体系について明確に説明しておけば、上の空でやる気のない社員を自然と淘汰することに繋がります。

期待
タイムカードを押して業務を切り上げるべきか、仕事をやり遂げるべきか?就業時間が厳密に決められているのか、柔軟性があるのか?サービス残業を求める暗黙のプレッシャーがあるのか?クリエイティビティやひらめきを発揮する機会があるのか?上司が退社するまで待たなければならないのか?

言い換えれば、この会社で上手くやっていくために必要なことは何かということです。これらの質問は、会社の雰囲気を決定付ける要素とも言えるものです。結果なのか、残業の多さなのか、勤続年数の長さなのか、それらを見極め、組織文化に順応できるかどうかを判断する必要があるでしょう。

職場の「スペース」
職場で社員に与えられた物理的・心理的なスペースが社員の満足度を大きく左右することは、グーグルといった組織が証明しています。

あなたの会社の組織文化が満足できるものかどうかを求職者が自ら判断できるよう、できるだけ多くの社風に関する情報を提供しましょう。

仕事が楽しくなるような職場ですか、それとも四方をパーティションで囲われたような薄暗くどんよりとした雰囲気ですか?余暇の時間はありますか、それとも仕事のみですか?個性や多様性は評価されていますか、それとも職場を脅かすものとして切り捨てられていますか?職場は開放感のある間仕切りのないレイアウトですか、それとも個別に仕切られていますか?自然光は入ってきますか、それとも蛍光灯の人工的な明るさだけですか?組織文化はコラボレーションを重視していますか、それとも過酷な競争主義ですか?

働きやすさや勤労意欲を高めるための方策
ギャラップ社の最近の調査で、社員の忠誠心は会社による社員の厚遇を反映していることが、改めて報告されました。

ロバートハーフの2015年版給与ガイド(香港 | 日本 | 上海 | シンガポール)でも、社員のワークライフバランスはビジネスの課題としての順位が高くなっているとされています。つまり、身体的・社会的に健全な生活の妨げとなるような仕事は人材を流出させ、向上に繋がる仕事は社員の貢献度を高めるのです。

同様に、健康で現状に満足している人は生産性が高いことも分かっています。ですから、社員のウェルネスを促進する制度で会社の雰囲気を良くしていく努力は、採用の失敗を防ぐだけでなく、優秀な人材を引き込む決め手になる可能性があります。重要なのは、求職者共通のあえて言葉にされない質問に答えることです。例えば…、

  • この会社で成功できるのだろうか。
  • この会社で働くことを楽しめるだろうか。
  • 自分の仕事に対して公正な報酬が与えられるだろうか。
  • 安定した仕事が得られるだろうか。
  • 自分の存在は尊重され高く評価されるだろうか。
  • バランスの取れた健全な生活が得られるだろうか。

すべての人が同じ条件や報酬体系に意欲を掻き立てられるわけではありません。組織文化の全体像を説明し求職者が十分な情報を得た上で真に意思決定できるようにすることで、採用の失敗を防ぎ、適材を獲得できるようになるでしょう。

この記事は、ロバートハーフANZのWorklifeブログにて最初に掲載されました:「Top 5 things you should reveal about your workplace culture(職場文化について明らかにすべき5つのこと)」

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