社内研修を通して社員の価値を高めることで、会社としての価値も高めることができます。

企業研修プログラムは多くの場合、高いコストがかかり、その費用は会社が負担しています。このような投資に対する見返りは目に見えませんが、社内研修や能力開発への投資は、社員が新しいスキルを習得し、会社への帰属意識や忠誠心を新たにすることで会社にさらに価値をもたらすことができます。

研修をどのように構成するかによって、投資リターンは大きく異なる可能性があります。そこで、投資に値する最も効果的な企業研修プログラムを実現するための5つの方法をご紹介します。

社内研修を定例行事にする

会社は、知識格差を特定し、社員のスケジュールや業務に合わせて的を絞った企業研修プログラムで対処しなければなりません。

5時間の講座を1回だけ開催するのではなく、毎週あるいは隔週の頻度で複数回の社内研修を実施することを目指します。研修に一貫性を持たせることで長期的な知識保持をより高めるとともに、その定例化によって学習を奨励する企業文化を打ち出すことができます。

これらの定期的な社内研修に基づいて実務のパフォーマンス評価とフィードバックを提供し、社員にとって関連性の高いプログラムを維持します。これにより、社内研修の有効性も的確に把握できるようになるでしょう。

クロス・トレーニングを提供する

多分野にわたる企業研修プログラムは、社員に新しいスキルの習得を促し、社内異動の可能性を広げます。これは、社員の定着率を向上させるのに役立つでしょう。

また、クロス・トレーニングは、社員が講師役やメンター役を務める良い機会ももたらします。特定の役職に求められること、必要な事柄などを理解し、同僚に正確に伝えられるのは、その役職に就いている社員しかいないのです。

シルバー社員を「金の卵」のように処遇する

年配の社員の研修に重点を置くというのは、賢い投資のアプローチ方法です。50代の社員は、20年以上の実務経験を有し、新卒社員よりも高度なスキルを持っています。それで終わりではありません。退職年齢が上がっているため、50代の社員は、おそらくあと10年は引き続き働くことを考えているはずです。

そうした社員を企業研修プログラムに参加させることは、会社にとって価値のある社員だと認めていることを示唆し、彼らの意欲をより引き出すとともに、組織の中での彼らの役割の重要性をさらに高めることができます。

また、年配の社員の経験を活かして、若い社員のメンターになってもらうこともできます。年配の社員が伝授できる知識は、研修講師の提供できる知識をはるかに上回るでしょう。

間違いから学ぶ

企業研修プログラムでは、競合他社の欠点をケーススタディとして使用します。他社が犯した代償の大きい過ちを例に取ることで、自社の社員が落とし穴を知り、将来それらを回避するのに役立てることができるでしょう。

失敗した製品やキャンペーンの具体例だけに学習を制限してしまわず、危機管理やさまざまな部署にわたる他の重要な課題についての問題点を特定し、議論のたたき台としましょう。

この議論をさまざまな部署が互いの業務やその役割に対する理解をより深め、アイデアを交わすきっかけにできればなお良いでしょう。

マネージャーの能力を高める

管理職向けの社内研修では、2つのアプローチ方法を取ることができます。技術的なトレーニングとソフトスキルのトレーニングです。管理職者は、現場で実際の業務に当たっている社員ほど技術的なスキルに長けていないかもしれませんが、リーダーとしてより効率よく指揮するには、技術的なノウハウについて最低限の基本的知識を持っている必要があります。

マネージャーは、社員が毎日関わる最も直接的なリーダーです。高い生産性を達成するよう、周りを鼓舞しつつ、同時に社員のやる気と満足感を維持できるよう管理をするには、優秀なマネージャーでなければなりません。コミュニケーション、コーチング、対立解消のスキルなどをはじめとするソフトスキルのトレーニングは、平均的なマネージャーを優秀なマネージャーへと成長させることができます。

継続的なトレーニング、専門教育、コーチングなどを社内研修として社員に提供することは、会社が進歩を続ける上で不可欠です。また、どの部署のどのレベルの社員にも、今あるスキルをリフレッシュして新しいスキルを身に付けるチャンスをもたらします。あなたの社内研修プログラムを今すぐ見直し、今後長期にわたって成果を得られるようにしていきましょう。