仕事のモチベーション低下を防ごうとあれこれ社員に働きかけてみても、効果がないとお悩みですか?優れたマネージャーでも犯しがちな間違いをいくつかご紹介します。

1. 短期的なインセンティブ

成果に対してインセンティブを出すことで、仕事のモチベーションを維持しようとするのは良いことです。しかし、商品券や有給休暇などの報奨を毎月出していると、社員は一定の短期的な見返りだけを目指すようになり、大きな目標の達成を頓挫させてしまう可能性があります。また、職場の雰囲気が実利的になりすぎてしまいます。あなたが新しいプロジェクトを振ろうとする度に社員が見返りについて尋ねるようでは、プロジェクトが長期に及んだときなどにモチベーションが低下しかねません。

実力に見合った適正な給与やインセンティブだけでなく、何が社員のやる気を掻き立てるのかを理解することが重要です。同僚と力を合わせて業務に取り組むことで意欲高く仕事に向き合うことができるという人もいれば、仕事ぶりや成果を認められると仕事へのモチベーションが高まるという人もいます。モチベーションの源がそれぞれ何なのかを知っていれば、部下が仕事を好きだと思えるように各人に合わせた対策を取ることができるでしょう。

2. フレキシブルな働き方

在宅勤務やフレックスタイム勤務を認めるのは非常に良いことです。在宅勤務は通勤時間をなくし、自宅の快適な空間で働いた方が成果が上がるという人には有益でしょう。しかし、適切に管理しないと効率が下がるだけでなく、仕事に対するモチベーションも低下してしまう恐れがあります。

日や週単位で達成すべき課題を課し、必要に応じてGoogle Driveのようなクラウドのコワーキング・プログラムなどで社員の仕事ぶりを監視します。

3. 過度にポジティブな姿勢

いつも楽観的であることは素晴らしいことですが、リスクを負う際、最悪の事態を想定することも時には大切です。

すべてが首尾よく運ぶことを願う気持ちは皆同じですが、発生し得る問題に対して戦略を立てておくのが得策です。ポジティブな態度は重要ですが、どんな時でも、最善を望みつつ最悪に備えるのがベストです。

4. 競争の激しい職場文化

ある程度の競争は、物事を前進させる上で常に効果的です。しかし、人の悪い面を引き出すことがあるのも事実です。フェアプレーヤーではない人がいる場合は、いざこざが生じる前にすばやく平和的にその芽を摘み取るのがベストです。

互いに助け合うことに対してチーム全体を称賛する方法を見つけ、誰もが勝者になれるようにします。

5. 過度なサポート

リーダーというのは、簡単な役回りではありません。部下から成果を確実に引き出す必要があるのですから、物事がうまく行っていないのを見れば、すぐに手を差し伸べたくなる気持ちが湧くものです。

しかし、あまりにも手取り足取り指導していると、部下がそれに甘んじてあなたに依存するようになります。結果、部下自身の自主性や目的意識を萎えさせ、仕事のモチベーションを低下させかねません。部下が危機に瀕してあなたの指導や支援を仰ごうとするのは自然なことですが、時には放っておく必要があります。

もちろん、部下を苦境に置き去りにするわけではありません。適任と思える社員をプロジェクトのリーダーに指名して、一歩下がった場所からプロジェクトがどう進展するかを見守るのです。

これによりチーム全体が自立を余儀なくされ、長期的には生産性が高まり、社員が自ら仕事へのモチベーションを高められるようになります。

6. 厳しすぎる上司

部下が間違いを犯した場合はそれを正すのが当然ですが、良い仕事をした時には認めることも重要です。厳しすぎる上司のいる過酷な職場は、モチベーションを低下させるだけです。上司に対する恐れから社員は必死に働くかもしれませんが、創造力やインスピレーションを引き出すことはできません。

あなたに言われたことをその通りにこなし、それ以上のこともそれ以下のこともしない、そんな社員を生み出してしまうでしょう。そうなれば、仕事のモチベーションが益々下がり、チームの潜在力を著しく損ねてしまう可能性があります。権威を示しながらも、独裁的には決してならないことです。