従業員の幸福度を上げるコツ

著者 Robert Half 2020 年 1 月 28 日

つの企業に長く勤めようという決意を持った経験豊かな社員は実にありがたい存在です。事業知識が豊富で、企業文化を深く理解する彼らは、チーム全体に安定感を与えてくれます。つまり、在職期間の長い社員は大きな財産であり、企業はそうした社員たちがきちんと評価される待遇方針を設定する必要があります。社員に「自分は尊重されている」と感じてもらうために最も大切なことは、キャリア過程全体における幸福度向上に必要な要素を理解することです。

社員の平均的な在職期間は現在9年ですが、ドイツやベルギーでは11年、オーストラリアではその30%も低い7年です。

在職期間を大きく左右する確固たる法則はありません。しかし世界的な傾向として、多くの社員が、自分の仕事に誇りが持てること、公平に扱われ、尊重されていること、適正な評価を受けていること、達成感が得られることを職場での幸せおよび仕事への興味の深さを左右する要素に挙げています。また弊社の調査では、1つの企業でのキャリア全体を通じて、従業員の幸福度が変化していく様子も明らかになりました。例えば、イギリスでは、低下に転ずる前に高いところから始まり、担当する業務に就いて6~10年たった頃にピークを迎えます。逆にオランダ人の場合は入社後には低いものの、その後徐々に上がり、在職期間が11年を過ぎた頃に最も高くなります。

幸福度が高まるときもあれは低下するときもあるでしょう。しかしそれは単なる一時的な感情では決してありません。幸せとは、優れた仕事を成し遂げた結果として心が満たされる深い感情です。同僚を手伝うこと、認められること、何か新しいことを学ぶ機会を与えられることで社員の心が満たされるのです。これは雇用維持戦略の土台となるものでもあります。

従業員の幸福度を上げるのは?

社員の心を満たす要素は国ごとに異なるほか、彼らが何年その職務についているかによっても異なります。フランスでは、入社後数年間に社員が幸せかどうかは、職務の達成感、誇り、ワークライフバランスの良さを感じられるかどうかにかかっていますが、在職年数が長くなるにつれ、公平さ、尊重されているかどうか、職務への誇り、自由の有無がより重要視されるようになります。ドイツでは、入社後すぐの場合、公平さ、尊重されているかどうか、チーム管理の状態、職務への誇り、チーム内の人間関係が重要ですが、在職10年を過ぎると、誇り、適切な評価へとその焦点が移り替わっていきます。

マネージャーは、社員の幸せに影響を与える要素を理解し、社員のキャリア過程に応じて要素が変化していくことを知る必要があります。末永く社員が「自分にはこの仕事があっている」、「企業の成功に貢献できている」と感じられるよう、公平さを重んじる企業文化を築くことが大切です。当然ながら、満足感の高い社員は一緒に仕事をしやすい社員でもあります。所属する組織に忠誠心を持ち、事業の進展に積極的に貢献してくれるでしょう。

では、従業員の幸福度を上げ、キャリア全体を通じて企業に長く貢献してもらうためには何が必要でしょうか?

スキル向上の機会を与える

キャリア過程では常に目標が変化していくため、社員の業績を定期的に評価することが大切です。既存社員には新しい研修と能力開発を実施して、スキル向上の機会を提供しましょう。優れた点を認め、短期的に改善が望まれる点にはアドバイスを行います。さらに、長期的な昇進意欲を考慮し、個々の目標に即した個別研修プログラムを作成するとよいでしょう。

社員の多くにとっては、日々の職務の幅を広げ、選択肢を増やすことにつながる教育と研修の2つが職場満足を支える柱となります。したがって、絶えず個々の可能性を拡大させるような課題に挑戦させることが重要です。学びの機会となる役割を与えれば、それが自身を強化する機会となり、企業内のキャリアを通して職務に相応しいスキルがあると感じさせること、さらに研修を受ける意欲を維持することに役立ちます。

やりがいのある仕事を与える

社員にとって仕事の時間は、有意義な時間でなければなりません。どうすればそう感じるか、理由は人それぞれですが、目標の達成や同僚の成功をサポートすることから満足感を得る人もいれば、社会を形成する課題に大きな影響を与えること、企業の方向性に影響を与えることで満足を感じる人もいます。

マネージャーは、社員にやりがいを感じてもらえるよう、彼らが受け入れることのできる価値観に基づく企業文化を構築する必要があります。優れた点をきちんと認め、社員の働きが企業全体の成功にどう貢献しているかを明確に示しましょう。

チームワークとコミュニケーションを促進

チームを成功に導く基礎である力強い人間関係を構築するには、オープンかつ率直なコミュニケーションが不可欠です。チームの強いつながりが協力を促し、各チーム員に責任感を芽生えさせ、目標に向けたもうひと頑張りに備える環境を作ります。

従業員モラールを育み、良好な関係を深めるためには、職場においてあらゆる人が自由に意見を述べ、自分らしくいられる環境を整えましょう。これには、全員に発言の機会が与えられることで深い関与と、さらに規模の大きなチームの一員であること実感できる、定期的なチームミーティングまたはチームビルディング活動の実施が有効です。

「幸せ」の重要性

適性のある人材を見つけることは、どの事業にとっても重要であり、やっと見つけたその人材に長く働いてもらうこともまた同じです。在職期間の長い社員には、企業、そのサービスや文化に対する深い理解があり、そうした理解が職場に安定感をもたらします。彼らには、他の人々の学びを助ける優れた技能も確立されています。さらには、きちんとした評価とやりがいのある仕事を提供する企業に対して忠誠を尽くしてくれるのが在職期間の長い社員たちの素晴らしいところです。ただし、その忠誠心はただではありません。

長年にわたってひとつの企業で働く社員がいるということは、多くの場合、彼らに対する企業の面倒見が良いこと、社員の高い満足感が維持されていることを示しています。従業員の幸せとエンゲージメントの優先順位が低い企業では、ほぼ間違いなく雇用維持率も低くなっています。企業と職務に対する社員の深い関与を維持するには、彼らのモチベーションを維持する機会を模索し、その幸せを増大させる要素を理解し、キャリアが深まる過程に応じてその要素を変化させていく方法を理解することが求められます。

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