新型コロナウイルスの時期に業務の強靭性を高める

著者 Robert Half on 2020 年 5 月 18 日

ここ10年間、サイバーセキュリティなどのリスクが増加するにつれ、多くのビジネスリーダーが業務の強靭性に注目しています。

新型コロナウイルスは、従業員からサプライヤーやテクノロジー、顧客に至るまで、過去にない広い範囲において業務に深刻な影響を与えています。業務の混乱に耐えつつもビジネスサービスを提供することが、今の企業にとっての大きな優先事項になりました。

巨大なプレッシャーに押しつぶされるのではなく、生き残っていくためには、企業にとっては変化に立ち向かうのではなく、変化を生かす能力こそが最も重要です。ビジネスリーダーは、短期的な対策でこの危機がもたらすさまざまなリスクを最小限に抑えるのではなく、むしろその変化を受け入れなければなりません。リスクを吸収し、ビジネスを適応させることで、強靭性や有効性を、更に最終的には長期的な成長の可能性をも高めるのです。

短期的や長期的なニーズのバランスを取った意思決定を重視し、迅速に行動するとともに、将来的にも活用可能な技術の開発と社外との信頼関係構築を優先すれば、現在の混乱に耐えながら、競争の激しい市場で独自の地位を確保でき、更には感染症が終息した後も経済的に優位に立つことができます。

ここでは、業務の強靭性を高めるアドバイスをいくつかご紹介します。

根拠のある変化を取り入れる

業務の強靭性にとって重要なのは、顧客のニーズを満たし続ける上で最低限、必要となるビジネスモデルとは何かを理解し、危機的状況に置かれている間も財務業績を維持することです。このロードマップを確立することにより、どの程度までなら業務やビジネスの優先事項への影響に耐え得ることができるのか、また、許容可能な水準で業務を続けられるかが明確になります。そして、状況の変化に対処するため、根拠に基づいた現実的な決定を下すことができます。

たとえばソーシャルディスタンスに関する政府の指示により、スタッフの働き方は大きく変わりました。そのため今後の課題は、ビジネス上の重要な優先事項を満たすだけの生産性や関係各位との協力関係、および成果を維持しつつ、安全対策に沿った勤務形態を定義することです。

このような要素を理解することは、出社が避けられないスタッフとそうではないスタッフの判別に役立ちます。また、在宅勤務者には必要なハードウェア、プラットフォーム、プロトコルをもってセキュアなテレワーク環境をサポートし、取引先との遠隔での打ち合わせ方法を提案するといった、適切なソリューションを提供することができます。

スピーディーで柔軟な行動

過去に例のないこの状況では、重要なのは迅速、かつ柔軟に行動することです。物事が急速に変化するときには、丁寧であることよりも、スピード感のある対応にこそ価値があります。時間をかけて完璧な準備をしていたのでは、ソリューションを打ち出す前に事態が一気に方向転換してしまう、あるいはその影響が想像以上の規模に拡大してしまう可能性があります。企業はむしろ、根拠の伴った「試行錯誤」を良しとして、小規模の変化を迅速、かつ、段階的に取り入れることで混乱を緩和しつつ、優先的な業務を再開させる必要があります。斬新なソリューションの採用が長期的で現実的な解決策につながる可能性もあります。

その一方で、速度重視で変化に対応する場合には、リスクも伴います。そのため、ある程度は、失敗を許容する覚悟も必要です。しかし、情報に基づいて選択肢のロードマップを作って意思決定に役立てるとともに、評価とフィードバックにも力を入れて取り組むことで、リスクは抑えられます。数値化された結果とチームや関係者からの定性的な意見の両方を組み込んだフィードバックを定期的に取得、作成し、対応の微調整と適切な修正を図りながら、変化に対処していきましょう。

ITインフラとツールの確認

国の緊急事態宣言に伴う規制が一旦、緩めば、多くの企業がチームの一部を出勤させ、残りを在宅勤務にすると予想されます。すべての従業員が同時に同じオフィスで仕事ができるようになる日が近い将来にくるとは到底、断言できません。事業の継続性は、在宅勤務で対応できるかどうかに係っていると言えます。

したがって、IT設備とコンピューターシステムを全面的にチェックし、スタッフが業務に必要なツールや機能すべてにアクセスでき、しっかりとしたセキュリティのもと、安心して在宅勤務を行える状況にあることを確認してください。

変化の中で成功のチャンスを模索

企業は、感染防止対策や政府の指示に応じて、職場の分散やリモートワークの導入、在宅勤務に対応する技術インフラのアップグレードなど、今後も多様な変化を取り入れる必要があると予想されますが、ビジネスリーダーが着手すべきことは、このような変化に対応するだけでなく、積極的に変化を活用した、事業継続性と現行の顧客サービスの改善です。

その1つにリモートワーク技術の導入が挙げられます。新型コロナウイルス感染症により、リモートワークが一気に普及しました。多くの企業がそれぞれに取り組み、その過程でIT関連設備をアップグレードしています。これを現状に対処するための1回きりの投資ではなく、先々のニーズにも対応させるための技術投資のチャンスと考えましょう。たとえば、コンピューター関連のテクノロジーをアップグレードさせて長期的に柔軟な勤務を可能にする、リモートコラボレーションソフトウェアを導入してその効率をテストする、サーバーをクラウドに移行する、クラウドデータストレージに関するサイバーセキュリティを強化して在宅勤務のセキュリティを確保するなどといったことにも取り組むと良いでしょう。

取引先との関係維持・管理を優先

新型コロナウイルス感染症の影響が広がるにつれ、社外の関係先としっかりとしたやり取りを継続することのできる企業が、双方にとって長期的で強固、かつ有益な関係性の構築と維持に成功すると予想されます。業務の強靭性は一方通行ではありません。ビジネスの優先事項を損なうことなく、できるだけ柔軟に相手のニーズの変化に対応することが重要です。

当面、世界の経済展望は不安定となることは間違いありません。既存の顧客へのロイヤリティを高めることは、長期的に業績を維持する上で極めて重要です。顧客と密に連絡を取り合い、業務に変更が生じていても先方のニーズを満たすことが出来ていることを確認し、この状況下で新しいニーズがないか、また、どうすれば最善のサービスを提供できるかなどについても深堀りします。また、顧客の期待に応えられず、信用を損なってしまうような事態を避けるためにも、自社サービスの変更も現実的に検討するようにしましょう。

スタッフの共感を得る

今や業務のほとんどの側面が新型コロナウイルスによる何らかのリスクにさらされていますが、従業員の意欲と生産性を最適化は、強いリーダーシップとサポートによって今すぐに対処できる要素の1つです。現在のような規模の変化においては適切なテクノロジーの導入だけではなく、ビジネスプロセスや人事の観点からも調整が必要です。

たとえば、年配のスタッフが新しい通信技術を活用することで模範を示すのも良いでしょう。リモートワークに役立つ資料やトレーニングを従業員に提供したり、従業員が個人的なニーズを満たせるよう勤務形態に柔軟性を持たせたりすることも一案です。明確でオープンなコミュニケーションを優先し、従業員に必要な情報とサポートを提供して一体感を与えられるよう、様々な対策を検討しましょう。

組織の強靭性は、採算の取れるビジネスモデルを構築し、不安定な時期を乗り切る上で必須です。ビジネスリーダーは、機敏な変革管理によって、次々に生じる課題に速やかに対応する必要があります。また、取引先との有益な信頼関係の構築と維持を優先し、感染終息後の経済における成長を見据えて決定を下すことが重要です。

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