緊急事態宣言の解除後に職場に戻る準備

著者 Robert Half on 2020 年 6 月 1 日

世界ではロックダウンを解除する国も少しずつ現れ、「緊急事態宣言の解除後、安全かつスムーズにオフィス勤務を再開するためには何を準備すべきか」が、ビジネス界の話題になりつつあります。

この数週間、企業とその従業員が、ソーシャルディスタンスを維持できるよう、苦労して業務や仕事のやり方を変えてきたのにも関わらず、即座に新型コロナウイルス感染症感染が拡大する前の勤務形態に戻すのは道理に合いませんし、現実的でもありません。オフィスでの勤務再開には安全性が何よりも優先すべき事項です。企業は、今後の在宅勤務からオフィス勤務への移行期間について綿密な計画を練る必要があります。

どの企業にも共通して用いることができるような方法はもちろん存在しません。まずは、健康に関する最新の政府の勧告を常に念頭に置いてください。それらを考慮した上で、緊急事態宣言の解除後、自粛が緩和された場合に、スタッフが安全にオフィス勤務を再開するためのアドバイスを業務運営の観点からご紹介します。

柔軟なオフィス復帰戦略を実行する

ビジネスリーダーは、職場のソーシャルディスタンスに関する政府のガイドラインに従う必要があります。従業員全員を同時にオフィス勤務に戻すのは難しいでしょう。この困難を打破し、「ニューノーマル(新しい常識)」を大規模に適用させる

方法の1つは、まず一部の従業員をオフィス勤務に戻し、その数日後または数週間後に残りの従業員もオフィス勤務に戻すなど、段階を設けることです。 従業員数やオフィスの面積によっては、在宅勤務体制を引き続き継続することもできます。在宅勤務とオフィス勤務の従業員を曜日ごとに分け、交代で働くような体制を整えることで、ソーシャルディスタンスの指針も守りやすくなります。 また、在宅勤務体制を残すことで、すぐに週5日の出勤に戻らなければならないというストレスや負担を従業員が感じるリスクも防げます。引き続き家で子供の面倒を見なければならない従業員がいることや、公共交通機関が再び混雑する可能性も考慮しなければなりません。したがって移行期間を長く取れば、新型コロナウイルス感染症の事態が収束した後に、全員がオフィス勤務に戻り、新たな体制に順応しやすくなります。

在宅勤務を促進するために技術インフラを整備したのであれば、引き続きそれを活用することをお勧めします。おそらくは当面、在宅勤務とオフィス勤務の混合の措置が必要となるでしょう。

継続的なコミュニケーションを優先する

オフィス勤務への復帰の準備には、継続的なコミュニケーションが必要です。従業員がオフィスで健康かつ安全に働くには、オフィスの在り方や運用方法などに工夫を加える必要もあるでしょう。このような変更には、キッチンや会議室へ入る人数の上限、ワークステーション間の距離の確保、デスクの清掃や手指の消毒方法、施設の使用などに関しての新しい規則も含まれます。

職場の新しいルールについては、最初から明確かつ定期的に全従業員に情報を伝達することで、混乱や手続の滞りがないようにしてください。定期配信のメール、企業のイントラネットやソーシャルメディアへの投稿、頻繁なタウンホールミーティング(オンラインまたは少人数)も、コミュニケーションには効果的です。

コミュニケーション戦略の一環として、特に大企業においてはルールが正しく理解され、実行されているかを各チームの主任クラスに確認させるのも良いかもしれません。従業員の疑問や懸念を受け付ける窓口の役割をも担えます。

人材を重視する

スタッフがこれまで短期間で多くの変更に耐えつつも不安を感じている現状を理解することが重要です。その上、同僚との物理的な交流がないまま、何週間も1人で働けば、仕事への意欲と精神にマイナスの影響が出かねません。 職場復帰の準備をする際には、オフィス勤務再開後の数週間で従業員の士気を高め、やる気を引き出すことに重点を置きましょう。細かい点にまで目を配ってスタッフの心身の健康状態を把握し、前向きな姿勢を維持させることが何よりも重要です。従業員を落ち着かせ、仕事への意欲を高めるためには、スタッフ同士の協力を奨励するとともに(ソーシャルディスタンスを維持しながら)、定期的なミーティングやコミュニケーションを通じて、企業の目標や将来性に共感してもらうことが大切です。

従業員が自分の意志で、もしくは企業の段階的なオフィス勤務復帰計画に従って、オフィスや在宅で働き続けるためには、引き続き在宅勤務に求められるテクノロジーに投資し、働き方への柔軟性を提供することも重要です。

フィードバックを奨励し、耳を傾ける

全社、もしくは、チーム毎で定期的に従業員の疑問や懸念に耳を傾ける機会を設けましょう。今の状況下で情報を明確に伝え、従業員のやる気を持続させるには、常に従業員と双方向の意思疎通を図ることが不可欠です。たとえば、毎日出勤することを不安に感じる従業員には、その懸念についての話ができる機会を設け、速やかに、丁寧かつ公正に対処するべきです。

全員が新型コロナウイルス感染症の事態終息後を見据え、「新しい現実」に取り組み、学び続けている今、チームまたは全社で行う定期ミーティングも様々な改善のアイデアを従業員側から発信してもらう良い機会です。

適切な人材を確保する

新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響はさまざまです。程度に違いこそあれ、多くの企業には幅広い影響がもたらされています。しかし、ビジネスがこの感染症にどれだけ影響を受けているのだとしても、中核的なスタッフに負担をかけ続けたり、トレーニングやリソースの不足から新しいビジネスチャンスや発展の機会を逃したりするようなことがあってはなりません。

仕事の量が増加し始め(増加し続け)ていたり、もしくは、その量が変動したりする場合には、正社員と契約社員を併せることで速やかにスキル不足を補い、事業継続と成長の機会に対応することを検討しましょう。

新型コロナウイルス感染症の事態収束後に向けた職場復帰の準備をする際には、職務に変更のあった従業員に対して、必要となるすべてのトレーニングやサポート、ツールなどを提供するようにします。

病気に関する企業方針を整備し、明確にする

健康と安全、安心を確保するためにも、体調が悪いときは出社せず、自宅待機するようスタッフには念を押して注意喚起をしてください。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの企業が従業員の健康と職場の安全に関する正式なガイドラインの見直しや改善を意識していると思われます。従業員全員にその進捗を伝え、コミュニケーションの継続を図ることで、ガイドラインの順守を促すとともに、より安全で健康な働き方の確立をサポートすることが大切です。

目まぐるしい変化と予測不能な状況に置かれている中では、企業には慎重な計画性が、そして、全従業員には高いレベルの適応力が求められます。「ニューノーマル」から更に別の「ニューノーマル」へと移行しようとする現在、従来の形にできるだけ近い職場環境の復元をどのように実現していくのか、今後、長期的かつ慎重な思考が重要となるでしょう。

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