新型コロナウイルス感染症の収束後に従業員定着を最優先すべき理由(とそれを促進する方法)

著者 Robert Half on 2020 年 6 月 22 日

従業員定着において重要なのは、いかなる場合も、優秀な従業員の大切さを忘れてはならないということです。新型コロナウイルス感染症の流行中、そして収束後の雇用市場で、企業幹部が犯しやすい最大の間違いは、少なくとも当面は雇用不況だというだけで、優秀な従業員が自社に残ってくれると思い込むことです。

厳しい時期に会社に失望した従業員は、チャンスがあればすぐに去っていきます。そのようなマイナスの体験が社内全体に広がっていて、しかも優秀な従業員の退職が将来の成長を阻むような場合には、影響がさらに拡大する恐れがあります。

また、緊急事態宣言が解除され、規制が緩めば、企業は一気に自信を取り戻し、採用モードに入ります。つまり、優秀な従業員は転職でキャリアアップのチャンスに惹かれるということです。

もちろんこれらが予想されるのは、現在の会社に残って忠実に働く十分な理由がなければの話です。

有効な従業員定着対策に不可欠なのは、継続的な努力と長期的な展望です。従業員がやる気を失ったらそれが最後でしょう。たいていの場合、短期的にも長期的にも影響が現れます。新型コロナウイルス感染症の収束後、企業が回復と再調整の段階に入るとともに、採用担当マネージャーは従業員の定着に全力を尽くす必要があります。

企業の定着対策の質(あるいはその存在)は、おそらく今後の数カ月で試されるでしょう。したがってここでは、企業が雇用主としてのブランドを確立し、現在から未来にかけて優秀な人材を獲得し、定着させるために、採用担当マネージャーが今すぐ実行すべき手順をご紹介します。

従業員の体験を把握

ここ数カ月、同僚との共同作業や交流から、新人のリモートオンボーディングや指導まで、あらゆる人が仕事に関連する多くの変化に適応してきました。それに加えて多くの従業員は、出勤の再開にあたって「新しい生活様式」にも慣れなければなりません。

従業員の日常体験を把握するとともに、従業員の心身の健康、仕事への意欲、生産的に働く能力に悪影響がないよう、問題には即座に対処することが重要です。現在、企業が何よりも優先すべきなのは従業員との継続的なコミュニケーションです。さらに従業員の定性的な情報を得るため、従業員に対する意識調査や満足度調査を高頻度で実施することもお勧めします。

情報やフィードバックをリアルタイムで取得すれば、自社のポリシーやプロセスを微調整し、従業員の継続的なニーズや意欲に応えることができます。

価値に見合う報酬

コスト削減の圧力が高まっている企業もありますが、市場平均より低い給与で新人を採用することは、たとえ失業率が高いときでも、たいてい長期的には有効な手段となりません。

給与が自分の価値に見合わないと思う従業員は、多くの場合、意欲が下がります。意欲とともに生産性が下がれば、企業の収益にも影響が出かねません。また、他の企業のほうが高い給与を払っていれば、優秀な従業員がライバルに取られるリスクも高くなります。

優秀な従業員に十分な給与を払うことこそ、生産性を高めるだけでなく、市場が回復したときにチームに欠員がでることを防ぐためにも重要なポイントです。

従業員の心身の健康

一般的な職場のウェルネスプログラム、たとえば社内ジム、休憩スペース、ヨガ講習、交流イベントなどは、現在、活用されていません。それでも従業員の心身の健康をサポートする取り組みは重要です。

現在の在宅勤務や従業員の生活に適した形で、リソースを活用する方法を検討し、企業として従業員のウェルネスを重視する姿勢を見せましょう。たとえば、不安定な状況や変化への対処、ストレス管理、心身のリラックスなどについてアドバイスするウェビナーです。

同様に、社内広報を通じて常に運動を促進し、相手との距離を確保した形で交流を促進する方法がないかも検討しましょう。運動系のオンライン講習やチームワークを強化する活動も、スタッフの心身の健康を促進することになります。

協力と柔軟性を心がける

新型コロナウイルス感染症とその余波は、職場の内外で、必ず何らかの「新しい生活様式」に発展します。たとえば子供のいる人は、学校の予定変更や保育施設の手配に苦労するかもしれませんし、プロジェクトの遂行に社外のサプライヤーを必要とする従業員は、予定外の遅れが生じることもあるでしょう。

企業の評価は、従業員にかかるストレスの増加に柔軟かつ予測的に対処し、サポートできるかどうかで決まります。したがって、勤務時間の自由度、在宅勤務制度、プロジェクトやタスクの締め切りの許容範囲などに価値を置く従業員が増えてくるでしょう。

職業的な能力開発を忘れない

多くの従業員はここ数カ月、企業として新型コロナウイルス感染症の流行を乗り切るために、業務の追加や日常業務の変更を求められています。しかし、会社が一方的に言うばかりで思いやりがないと感じれば、働く意欲や忠誠心は急激に低下します。

たとえ昇進の計画が一時的に消えても、従業員の将来のキャリアアップに向けて投資を続けるという意志を示しましょう。この理由から、将来性のある忠実で優秀な従業員を定着させるには、やはりスキルアップの具体的な機会を与えることが重要です。

透明性を確保する

新型コロナウイルス感染症の予測不能な幅広い影響は、今後も従業員に多大な不安をもたらすと予想されます。将来の見通しや働き方に影響を与えかねない重要な情報を隠そうとする企業にとっては、従業員の精神的な健康維持がさらに難しくなります。

現在の状況を考えれば、従業員は、最も快適に働け、安心感が得られ、変化に対応できそうな企業に引き寄せられるでしょう。したがって企業リーダーは、自社の従業員やビジネスに幅広く影響を与える可能性のある情報を常に率直に打ち明ける必要があります。

企業は、従業員の定着を常に優先すべきです。しかし、定着戦略が有効であるためには、実行する状況に合った具体的な取り組みをリーダーが常に速やかに検討する必要があるでしょう。

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