テクノロジー専門職の女性はなぜ少ないのか?

著者 Robert Half 2019 年 3 月 8 日

テクノロジーの急速な進歩によって企業やキャリアの再編が進む現在、ボストン・コンサルティング・グループによれば、世界のGDPの80%を占める25の主要国に深刻な人手不足が見られます。人手不足が特に顕著なのはIT分野です。このため、テクノロジーに従事する女性の数を増やす取り組みが強く求められています。

現在の業界データを見ると、男女のバランスがまったく取れていません。Women Who Techによる調査では、IT専門職に占める女性は25%、IT企業を立ち上げる女性は5%、プロプライエタリ(私有)ソフトウェアに携わる女性は28%にすぎません。

では、なぜテクノロジー分野を選ぶ女性が少ないのでしょうか? そして、どうすればIT企業は、テクノロジー分野のキャリアに女性を集めることができるのでしょうか?

本日は国際女性デーでありこのブログでは、職場環境における差別撤廃とジェンダーに向けた動きについて検討します。その1つが、女性にテクノロジー専門職への門戸を開くことです。

ジェンダーに関する偏見と先入観

Australian Computer Society(ACS)が2015年に発表したレポート「The Promise of Diversity: Gender Equality In The ICT Profession(多様化がもたらす将来性:ICT専門職におけるジェンダー平等)」に引用されているハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の2008年の研究によれば、テクノロジー分野で働く女性の約50%がやがて仕事を辞めていました。ACSは、現在のIT分野にも同じ問題があると警告しました。HBRの離職率を適用すれば、35,000~40,000人の女性のIT人材が失われていることになります。

HBRの研究では、この高い離職率について「男性的な文化、職場での孤立、キャリアの不透明感/停滞、不利な報酬制度、仕事における極度に大きな圧力」など、複数の要因を挙げています。離職率が最も高いのは、30代後半、つまり家庭と職場の両方で最も負担の多い時期にある女性です。

Workplace Gender Equality Agency(WGEA)の論文「Different genders, different lives(ジェンダーによって異なる生活)」もACSのレポートを引用し、テクノロジー分野の女性に不利となる複数の偏見と先入観を指摘しています。以下にご紹介しましょう。

  • 根強い先入観: 積極的にキャリアアップしようとする女性は、男性の同僚から「自己主張しすぎる」「攻撃的」などと見られやすく、一部の女性は完全に昇給をあきらめてしまいます。
  • 家族の負担: 女性が子育てのために仕事を休むことが、長期的なキャリアにマイナスとなることがあります。IT業界の雇用主は蓄積した知識、スキル、経験に高い価値を置くためです。

一般的な認識に反し、多様性は経済にとって良いことです。Women Who Techは、離職によるコスト削減、革新と効率化の促進、収益の増加につながるとして、人材の多様性を提唱しています。

テクノロジー分野の女性の増加

IT分野の男女比を近づけるには、複数の面で対策が必要です。雇用主が改善を試みるべき5つの主要分野をご紹介しましょう。

1. リーダーシップ、企業文化、説明責任

企業の経営幹部は、ジェンダー平等を、単なる人事問題ではなく、長期的なビジネス戦略と認識することが重要です。経営チーム全員が、ジェンダー平等に対する明確な責任を負う必要があります。

2. 柔軟な就業形態

個々数十年で、仕事に対する考え方は大きく変わりました。両親は子育ての責任を共有するようになり、従業員はワークライフバランスを期待します。技術の進歩により、ほとんどどこにいても仕事ができるようになった今、男女ともに能力を最大限に発揮するよう奨励することが重要です。

3. メンター制度とスポンサーシップ

これらは、女性がIT系の仕事で成功する強力なツールになりえます。メンター制度が精神的なサポートに重点を置く一方、スポンサーシップは、優秀な従業員をスピーディーに昇進させる有効な戦略です。

4. 目標とノルマ

ジェンダー平等の目標は、「各企業の状況、文化、環境に応じて設定し、継続的に調整し観察する」ことをお勧めします。これを強制的なノルマにすると、一部の女性が不当に有利な扱いを受けていると思われ、嫌われる恐れがあります。

5. ロールモデル

雇用主は、平均的な情報技術者が「オタク」で、非社会的で、典型的な男性であるという先入観を捨てるべきです。経営者として成功した女性をロールモデルにするのも良い方法です。例といたしまして、ルーシー・パン、中国名はパン・レイ「彭蕾」(Alibabaの創業チームの1人)、シェール・ワン(HTC会長)など優秀な女性は多くいます。

テクノロジー分野における女性不足は、たいていは偏見や先入観であり、解消するには世代交代が必要かもしれません。しかし、不均等を緩和する対策を取り、IT分野の多様性の利点を認識すれば、雇用主は生産性と収益性の大きな向上を得ることができるでしょう。

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