仕事人生の分かれ道。どちらに進むべきか迷ったときに、ちょっとした助言を求めるのはごく自然なことです。

キャリアアドバイスが最良の解決策となり、迷いを消し去ってくれることも確かにありますが、助言の良し悪しは、誰に聞くか、自分が仕事に求めているものは何かによって大きく変わります。

次にとるべきステップについて、快く話に耳を傾け、助言をくれる人はたくさんいるかもしれません。しかし残念ながら、そのすべてが正しいわけではないことも確かです。

間違った助言を、時間をかけて聞き、真に受けるのは危険です。状況が急速に悪化することになりかねません。誤った方向に導こうとする悪い助言と、しっかりとした理論の上に成り立つ優れた助言をしっかりと見分ける必要があります。

これを念頭に置いて、よくある「悪い」助言にはくれぐれもご注意ください。

「知らなかった!」とならないために、続きが気になる方にだけ、以下に「悪い」キャリアアドバイスをご紹介します。

悪いキャリアアドバイスその1.やりたくない仕事もやるべき

非常にお金に困っていて、なんでもいいから今すぐ収入が必要、という場合以外は一番初めに来た仕事に飛びつくのは良策ではありません。「今すぐ働きたい!」が「今すぐ辞めたい!」に代わるのも時間の問題だからです。すぐにでもまた転職したくなるに決まっています。

転職回数が多すぎるのは、採用側の不安材料になります。3か月でまた転職してしまう人を採用したいと思う企業はありません。次々と職を変える人物だと思われることで、採用されにくくなります。時間が許せば、本当にやりたいと思う仕事に出会うまで待つことが得策です。キャリアを長い目で見れば、そのほうがずっと良い方向に向かうはずです。

その2.人生と仕事は能力できめる

自身の興味に沿う仕事を選ぶことで仕事人生の充実と成功を実現する可能性が高まります。学生時代にある一教科が得意だったからといって、その分野にとらわれて一生を送ることが正しいわけではありません。

自分の経歴を決められるのは自分だけ。悪いアドバイスをきくよりも、本当に興味のあること、情熱を持てるものという正しい観点から仕事を選んでください。朝起きて「やるぞ」という気持ちで毎日仕事に向かうか、いやいや行くか。前者になる可能性が高い仕事を選びます。

その3.給与の高さで選ぶ

その2と同じく、給与の高さだけを考慮して仕事を選ぶという助言も要注意。もらえる金額が高いからといって、その企業が優れた就職先であるとは限らず、また良い仕事ができるとも限りません。さらに興味が持てる職務であるか、本質的にやる価値のある仕事であるかも不明です。

報酬の高さは、入社直後から多くのプレッシャーにさらされる可能性や、仕事量が多いことによる長時間勤務の可能性の高さでもあります。こうした環境で働くことが好きな人ももちろんいますが、万人に合う方法ではないためしっかりと見極めることが肝心です。

業界平均をもとにした適切な給与額を知るには、ロバート・ハーフの給与ガイドが便利です。プロとして自身の価値を知ることは重要です。同じ仕事をするほかの人たちより少ない報酬で働くことにならないよう、ぜひご確認ください。

その4.安心安全のために職にとどまる

受け取った助言が「長期的な安心」だけを理由にしていて、今の仕事が居眠りしていても終わるほど挑戦度が低い場合は、仕事人生の一番いい時期を無駄にしているかもしれません。こうした悪い助言には決して耳を傾けてはいけません。。

向上心に欠けると、後々、後輩が先に昇進しはじめ、昇給スピードが上がらず、職場での立場が弱まることが予想されます。能力開発に投資し、前に進む努力をしなければ、あっという間にそうした状況に落ち込むことになるかもしれません。

その5.能力の限界を案ずる

一定の自己認識は必要であり、自身の得手不得手を知ることは良いことです。しかし同時に、自分を安売りする危険、能力を最大限発揮する前に諦めてしまう危険も持ち合わせていることも忘れないでください。

I検討中の企業で、昇進が見込めそうにない場合は応募しないことです。そのような仕事に就いてしまっては仕事人生の向上など元も子もありません。プロとして上を狙うには、コンフォートゾーンから出て、新たな戦いに挑むことも必要です。成長に必要なスキル、資格、経験を備えているかは、もっと別の企業に判断してもらいましょう。

その6.じっと我慢して昇給を待つ

「求めよ、さらば与えられん」の言葉どおりであれば、昇給戦略が企業側からの申し出を「ただ待つ」だけの場合、待ち時間は相当長くなるでしょう。

常に上を目指すプロは、積極的に働きかけ、思い切って契約内容の改善を求めたり、職場での権限を拡大させたりすることも必要です。企業からの回答が芳しくなくとも、自身が置かれている状況を正確に理解できたことには変わりがなく、今後の仕事人生の判断にその理解を生かすことができます。

その7.自分の番を待つ

その6に似ていますが、社内には確立された「年功序列制度」があり、昇進の順番が決まっているなどと考えてはいけません。企業では、常に最も優秀な人材が重用され、彼らに高いモチベーションが与えられます。つまり、実力者には昇進への道が開かれるということです。

リーダーシップの素質を見込まれれば、そうした「年の功」より早い昇進が実現することも。率先して追加の役割を担い、効率を上げて企業の収益を高める方法を見いだすことが有効です。

その8.上司に取り入る

一貫した誠実さが成功を大きく引き寄せるコツです。過度のお世辞やゴマすりは禁物。第一、同僚にはすべてお見通しなうえ、上司もおそらくは同じです。今までにもそういう人はたくさんいたはずです。

真意から出た言葉かそうでないかはすぐにわかります。裏表のある人だと思われることは経歴にも響きます。職場で強固な信頼関係を築き、社内で上層部に好印象を与えるには誠実さが何よりも大切です。

その9.働くために生きるのではなく、生きるために働く

誰でも休日や仕事の後で家族と過ごしたり、趣味に時間を使ったりするのは楽しいものです。ただし、プライベートの時間や人付き合いばかりを優先していては、仕事人生を充実させることはできません。正社員の場合、1週間に40時間を職場で過ごすことになります。そのような長い時間を過ごすのですから、仕事に嫌悪感を抱くようなことだけは避けたいものです。

こうした最悪の事態を招くことなく、全体として最良の結果を得るには、やりがいと魅力のある仕事を求めて、より良いワークライフバランスを実現することです。

その10.諦めが肝心

転職や昇進は1度で成功するとは限らず、その過程には落胆することも多いでしょう。少々の失敗をものともせず、どれほど長い時間がかかっても諦めずに前進し続けることです。

「○○を達成する」という明確な目標を持ち、経験や能力といった必要な下準備を地道に整えれば、必ずチャンスは巡ってきます。それまでの間、目標を持ち続けてください。

ロバート・ハーフでは、これが皆さんの良いキャリアアドバイスになることを願っています。