転職エージェント(人材紹介会社)との面談で気を抜いてはいませんか?良い印象を持ってもらうべき相手は、雇用者だけではありません。担当者となるアドバイザーとの関係が、次のキャリアアップの成否を分けることも十分あり得ます。

雇用プロセスにおける人材紹介会社の役割は、雇用者と求職者の中継者となること。双方のニーズを満たすべく、運命的な巡りあわせとスキルを活用して、満足のいく相手と引き合わせます。

人材紹介会社を利用するメリットは、求職者と雇用者の双方にあります。求職者にとっては、彼らが持つ多くの非掲載案件は魅力的ですし、雇用者にとっても、一次審査を代行してもらうことで、手間が省けます。

転職エージェントを利用するメリットは、求職者、雇用者、双方にあります。転職エージェントであれば媒体に掲載されていない案件を数多く抱えているという点が、求職者にとっては、メリットとなりますし、また、雇用者にとっては、転職エージェントが一次審査を代行してくれるという利点があります。

そのため、アドバイザーが最も重視するのは、新たな求人案件が出てきた際にすぐ紹介できるよう、候補者の詳細を把握し、そのネットワークを拡大させていくことです。転職エージェントとって、企業に人材を紹介するということは、その度に自分たちの評判が左右されることであるため、求職者とは誠実で隠し立てのない関係を築く必要があります。

正直は最善の策

最も大切なことは、人の本質を掴むことです。性格は問題ではありません。なぜなら性格が違えば、合う仕事も違うからです。少しばかり傲慢な人でも、仕事によっては、適任といえる場合もあります。大切なのは、正直であること。雇用者には本当のことを伝えるものだという理解が不可欠です。

面談での3つの禁止行為

担当者との面談では気を付けるべき3つの禁止事項があります。重要なチャンスを台無しにしないよう、十分に注意しましょう。

その1:嘘をつくこと。これはあらゆる点において言えることです。良いアドバイザーであれば、(そうありたいと思っています)、できるだけ、前職の上司からだけではなく、同僚や部下、できれば顧客にも求職者の照会を行い、総合的な評価を得ようとします。

経験、資格、スキルについて虚偽の申告をしていることがわかれば、その時点で紹介のチャンスは失われます。大事なお客様である採用元の企業にこうした求職者を勧めることはできません。

その2:透明性の欠如。求職者の信頼性を確かめることは担当者の重要な仕事です。求職者が何かを隠そうとすればするほど、怪しくみえてしまうものです。

話題にしたくない事柄も、正直に話してください。前職で誰かと相性が良くなかったとか、何らかのトラブルに直面したとかいう経験は珍しいことではありません。しかし、それを隠そうとすれば、担当者は求職者が同じ問題を繰り返し起こすタイプの人なのではないかと考え始めます。何が起きたか、そしてそれから何を学んだかを伝えるだけで構いません。

その3:失礼な態度。あたりまえのことですがこの点も重要です。マナーの悪さ、遅刻、横柄な態度など、礼儀に欠けた振る舞いはアドバイザーとの関係を悪化させるだけです。

担当者は求職者を適職に引き合わせようと一生懸命です。そのためには、相互の信頼と尊重が不可欠です。アドバイザーが、自分の印象を悪くするような求職者を推薦することはありません。アドバイザーをぞんざいに扱うような求職者が、雇用者に対してどのような態度を取りえるのか、想像に難くありません。

採用後のトラブル回避

人材紹介会社が求職者との付き合いをやめるもう1つの理由は、採用後に問題を起こした場合です。採用には高いコストがかかります。そのため、新しい人材を雇い入れる際には、雇用者はその投資額に対しての十分な見返りを期待します。

もし、入社後、急に問題を起こしたり、業務遂行能力に関しての申告をしていたことがわかったりすれば雇用された本人だけでなく、転職エージェントの評判を下げることにもなります。真摯に向き合い、対応しておけば大事にならずに済むような些細な事柄も、隠していた、嘘をついていたとなれば、大きな問題となります。

このような問題には、業務遂行における能力の不足から、失礼な態度、怠慢さ、対人トラブル、立場をわきまえていない考え方、遅刻、指示に従わないことなどが含まれます。

要は、「自分が接してもらいたいと思う方法でアドバイザーや雇用者と接する。」この黄金律に尽きます。

転職エージェントとの関係を構築

担当者との良好な関係は、先々のキャリアアップにも非常に役立ちます。アドバイザーである私自身、実際に、同じ求職者に対して、3度、4度と仕事を斡旋したことがありますし、時には、外国での仕事の紹介をしたこともあります。

適職に引き合わせてくれるアドバイザーのもとに、求職者は戻ってきます。そして、アドバイザーもそうした求職者が、雇用側のニーズをきちんと満たすことができる人材だと理解しているからこそ、再び紹介することが可能なのです。

転職エージェントは、キャリアの門番のようなもの。彼らとの面談における禁止事項を守り、良好な関係を築くことができれば、将来、双方に利益がもたらされるでしょう。さあ、早速、適切なキャリア計画を立て、新しい仕事に向けて良い関係をアドバイザーと築き始めましょう。

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