キャリアを積む際のよくある失敗には、与えられた仕事範囲を超えて活躍できる機会に気が付かないがために、出世を逃しているということがあげられます。こうしたキャリア上の失敗がややこしいのは、それ自体はささやかでさほど大きな問題のようには見えないにもかかわらず、実質的には昇進できない真の理由となっている点です。次の5つの失敗に心当たりはないでしょうか。今回は、上昇志向を阻む問題とその解決策をご紹介します。

昇進できない理由は以下の通りです。

その1.自分の業績にばかりこだわる

企業全体の目的を顧みず、自身の業績にばかりこだわるのは困りものです。企業や上司が求めるのは、組織全体に最善の結果がもたらされることであり、一個人や部門単独の成功ではありません。

解決策:他部門の責任者やチームリーダーと協力しながら自分、そして自分の所属チームが企業全体の成功を促進し、組織にどう貢献できるかを検討します。他部門の目標達成に貢献し、その成功を支えるために自身のスキルや得意な点を活用すれば、そのプロジェクトに携わった経験がチームの役に立つかもしれません。

その2.自身の役割を進化させていない

キャリアを積み出世するには、基本となる仕事をこなす以上の能力があることを示す必要があります。経営者側としては、担当業務以外にも配慮でき、新しいプロジェクトに率先して取り組む人物を上層部に招き入れたいと考えるものです。物事がスムーズに進んでいると、快適なレール上の現在の職務に甘んじがちではありますが、そこが昇進できない理由かもしれません。あと10年同じことをやり続けていたいかどうかを考えてください。

解決策:割り当て以外のタスクも積極的に受け入れましょう。企業に役立つスキルを向上させるための研修や講座を受けましょう。

その3.引き受けすぎ

上記とは反対に、割り振られる仕事をすべて受け入れたくなるのもまた真実で、ほかの人のタスクまで無理して引き受けてしまう人もいます。これには2つの問題点があります。1つ目は自分自身のタスク、特に重要なタスクに悪影響が出ること、2つ目は「便利な下請け」であるあなたを、誰も今のポジションから動かしたくなくなることです。

解決策:重要なことに焦点を当て、優先順位が低いタスクは断るか、ほかの人に割り振る術を身につけましょう。仕事を上手に割り振る能力はリーダーシップに不可欠なものでもあります。現在の取り組みが企業の発展に重要かどうかを意識することが大切です。

その4.メンターを活用していない

メンターとは直属の上司だけを指すと勘違いしていませんか?実は自身の上司がメンターになることあまりありません。なぜなら上司の仕事は部下がきちんと業務をこなすよう管理することであり、キャリアを伸ばすことが必ずしも上司の役目とは限らないからです。しかも上司としては、本当に優秀な部下こそチーム外に手放したくないと考えるでしょう。このような場合には、自身の将来に責任をとり、キャリア向上に導いてくれそうな優れたリーダーシップのお手本を、上級職者の中から自身で見つける必要があります。

>解決策:社内外にメンターを求めましょう。ためになるキャリアアドバイスと産業界の展望を示してくれそうな人物が理想です。ひょっとするとその新しいメンターによって社外にチャンスが広がるかもしれません。

その5.失敗を恐れすぎる

なかにはコンフォートゾーンから出ることを躊躇して、挑戦や変化を好まない人もいます。しかし企業の上に立つ経営陣の仕事は企業全体や日々の業務に影響を与える決断を下すことです。飛躍したいと思うなら、冒険する環境に身を慣らし、失敗を恐れて自らの能力に限界を設けないことが大切です。

解決策:変化を積極的に受け入れましょう。少なくとも毎月ひとつはコンフォートゾーンから出る何かに挑戦します。小さなことから始めて部署内の別の分野に徐々に新しいアイデアを広げていくと良いでしょう。

おまけの失敗:出世を求めてこなかった!?

昇進できない理由というにはあまりにも単純すぎて拍子抜けするかもしれませんが、時には自ら手を上げることも必要です。人事や経営陣が従業員に求める素質やスキルが自分に備わっていること、そしてあなたという従業員に昇進意欲があることに気が付いていないこともあります。自身の成果、将来に対する希望をはっきりと口に出して上司や経営側に伝えましょう。

解決策:積極的に機会を探します。興味のあるポストに空きが出そうだとわかれば、後任候補に入れてもらえるように頼んでみましょう。業績評価とともにフィードバックを頼めば、上層部にとってもあなたの能力をより深く知るきっかけとなるでしょう。

こうした失敗を回避するために

上を目指すには、現在の仕事を極めるだけでなくそれ以上の成果を出す必要があります。「やるべきことをやっているだけという失敗」を犯していることが、実は昇進できない理由かもしれません。自らが主導権を握り、好機をしっかりと捉えて仕事の範囲を広げていけば、確実にステップアップしていけることでしょう。

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