会計の資格を取得することは、最も価値のある投資と言えます。財務・会計のプロフェッショナルにとって、自分のスキルに投資することは、雇用市場での可能性と価値の拡大という利益をもたらします。

取得可能な財務・会計の資格は数限りなく存在し、受験資格や費用、取得のメリットはそれぞれ異なります。

ですから、企業からの需要が高い資格はどれか、キャリアアップに実際に役立つ資格はどれかを、十分に確認することが重要です。

アジアの財務・会計分野のプロフェッショナルが最も熱心に取得している会計の資格を見てみましょう。

公認会計士(CPA)

CPA資格は、アジアの財務・会計の専門家の間で最も高い信頼度を誇っていて、国際的にも高く評価されています。この会計資格があれば、会計、税務、監査、コンプライアンス、リスク管理にわたる幅広いスキルを備えていることを企業にアピールすることができます。

CPAについての詳細は、日本公認会計士協会のウェブサイトをご覧ください。

公認情報システム監査人(CISA)

CISAの会計資格を持った人材への需要は、アジア全域で高まっています。この資格は、情報システムの監査、管理、セキュリティに精通していることを示します。ITセキュリティが経営者の間で優先度課題とされる今日の事業環境にあって、高く評価されている会計スキルです。

日本で受講できるCISAのコースについての詳細は、ISACA(情報システムコントロール協会)東京支部のウェブサイトをご覧ください。

公認内部監査人(CIA)

内部監査のキャリアを目指す人にとって、CIAの会計資格は必須です。リスクとコンプライアンスを含む内部監査のあらゆる分野に精通し、必要とされる会計スキルを有していることを証明するもので、アジアの企業から高く評価されています。

CIA資格取得を目指すのであれば、IIAJ(日本内部監査協会)のウェブサイトを見てみるとよいでしょう。

経営学修士(MBA)

MBAは財務・会計専門の資格ではありませんが、役員や幹部職のための資格として高く評価されています。あなたのキャリアを次のレベルへと引き上げるのに役立つ資格かもしれません。ただし、MBAの取得には相当の時間と労力を要します。全日制で学習するのであれば1年間、定時制・通信制の場合は数年かけて修了することになり、また多大な費用がかかる場合もあります。会社が学費を一部もしくは全額負担してくれるとしても、どんなMBAコースがあるのかを事前にリサーチして確実に把握するのが賢明です。MBAは、どの大学で取得したかによっても評価が変わってきます。

日本でMBA取得を目指す方は、国内(東・西)のMBAのトップ20校のリストをご参照ください。

公認証券アナリスト(CFA)

CFAの会計資格は、ポートフォリオ管理、投資分析、経済学、職業上の専門的基準や倫理規範に関する知識とスキルを持っていることを示します。資産管理や投資業界においてキャリアを築いていきたい方には適した会計資格と言えます。

CFA試験の受験手続は日本CFA協会のウェブサイトから登録できます。

公認管理会計士(CMA)

CMAの会計資格は、管理会計士協会(IMA)が認定する資格で、国際的に認知されています。財務スキルを武器にキャリアを確立していこうと考えている人には心強い会計資格と言えるでしょう。主に財務分析、予算編成、戦略的評価といったスキルを習得できる資格です。

CMA資格の取得過程についての詳細は、IMAのウェブサイトをご覧ください。

グローバル勅許管理会計士(CGMA)

2012年1月より導入されたCGMAの会計資格は、企業や行政で働くCPA保持者にとって比較的新しい資格です。グローバルな視点を持った管理会計のスキルを育成するために創設されました。

資格取得コースについての詳細はCGMAのウェブサイトをご覧ください。

必須のコースを履修してこれらの会計資格を取得することは、容易ではありません。特にこれらのコースの多くは、アジアで財務・会計のキャリアをすでに歩み始めていて、ある程度の実務経験のある人しか受講できないからです。つまり、勉強とフルタイムの仕事を両立させなければならないのです。

このため、どの会計資格がキャリアアップに役立つかを検討し、コースの履修に使える研修休暇などの制度がないかどうかを会社に聞いてみるとよいでしょう。

キャリアのアドバイスや業界の解説については、ロバートハーフのキャリアサポートのページをご覧ください。