上司同士の仲があまり良くない場合には、部下はどうしたらいいのでしょうか? ここでは上司の権力争いなど、職場での衝突を乗り切るために、社員が知っておきたい上司との付き合い方をご紹介します。

上司との付き合い方を理解することは、働く上で重要です。大事なプロジェクトで2人の上司が顔を合わせ、互いに異なる意見を主張し始めたら、その前途は多難です。双方の部下である限り、職務上、一方の気分を害することなく、もう一方の指示に従うことはできません。板ばさみの状態で、いったい何ができると言うのでしょう?

誰しもそのような立場には立ちたくないというのが本音ですが、複数の上司との付き合いにおいては、本当に厄介な事が生じる場合があります。「社員は会社ではなく上司が原因で辞める」とよく言われていますが、その通りです。2人の上司が権力を巡って争うとき、トリクルダウン効果の被害を受けるのは、たいてい部下のほうです。最近デンマークで行われた研究では、職場で発症する鬱の症状は、仕事の負担よりも、上司による不当な扱いに密接に関連していることが実証されました。アジアでは、同様の研究はまだなされていませんが、2014年の調査によれば、シンガポールでは従業員の半数近くが仕事に不満があり、また、75%の人が仕事を単なる生計を立てるための手段と考えています。このような結果を見れば、職場における満足度を高め、維持することの重要性は明白です。そしてもちろん、その責任は経営陣にあります。

しかし心配はご無用です。上司同士の揉め事が、部下の仕事(と精神的な健康)の終焉をもたらすというわけではありません。上司との付き合い方を正しく理解して、適切に対応できれば、この苦境が長く続くことにはならないでしょう。

最優先事項:どちらかに味方しない

原則として、どちらかに味方してはなりません。つまり、片方の上司の自尊心に付け込んだり、あるいは同僚相手に上司に関するうわさ話をするのは禁物です。両者の見解を認め、中立的な立場を取りましょう。最悪なのは、権力争いに個人的に巻き込まれてしまうことです。

率直に向き合う

上司2人とのミーティングを設けましょう。結局のところ、自分達の部署の成果が会社のイメージを反映することができる唯一のものであり、上司2人から矛盾するしたメッセージを受け取ることによって、仕事の生産性が低下することを明確に伝えてください。ミーティングに感情を持ち込んではなりません。事実だけを並べて、前に進むためには、上司が話し合いで対立を解消することを望んでいるのだとはっきりと意思表示します。

目標は同じ

結局のところ、重要なのは、個人的な敵意確執やエゴではなく、ビジネス上の目標です。その事実を踏まえ、どうすれば足並みを揃えることができるのか、アイデアを出してください。実際、意見の相違は、プロジェクトを長引かせることになり、結果、双方のリソースに負担をかけてしまうことになります。壁にぶつかったことのある有能な上司であれば、引き時が分かる筈です。このように、上司との付き合い方を正しく理解した上で、仲裁役を買って出ることができれば、職場の不調和の解消に大いに役立つことができるでしょう。