顧客向けのトレーニングから管理者ミーティングにいたるまで、どのような仕事をする上でも人前で話す能力は必ず求められるものですが、それと同時に、多くの人々にとってこうした注目を浴びる機会は緊張を強いられる「怖いもの」でもあります。

公の場で話しをするのが苦手だという方もご心配なく。同じ仲間がたくさんいます。

明確にコミュニケーションを図る能力、伝えたいことを対象とする個人やグループにきちんと伝えられる能力は、仕事上の重要なスキルであり、おそらくキャリアを通じて常に用いるスキルでもあります。顧客に新商品について説明するプレゼンテーションでも従業員を対象とした手順の説明でも、人前に立つことを求められる機会は何かと多いものです。

公の場で上手く話せるようになれば、希望する職や今後の昇進機会の有力候補として自身をアピールすること役立ちます。多くの人の前で発表したり説明したりする機会を積極的に引き受け、自身の能力を向上させていけば、瞬く間に「できる従業員」または将来のリーダー候補としての評判を高めることができるでしょう。

会議や研修などのイベントで発表をすれば、業界内の幅広い専門家に向けて自身のスキルを示すことになります。より広い範囲でネットワーキングの機会に恵まれるだけでなく、重要なリーダーシップスキルを発揮する場に自らを置くことにもつながります。

恐怖に打ち勝つには?

何か発表を頼まれるたびに不安を感じる。ミーティングで人前に立つことが怖い。公の場で話すことを考えるだけで心配になる。

そうした恐怖心や緊張感を払いのける3つのヒントを次にご紹介します。

1. 緊張感を最大限に活用する

人前で話す前に強い緊張感に襲われるという方も、心配はいりません。その状況をパニックになる兆しとしてではなく、エネルギーの高まりとして前向きにとらえ、本番の発表やスピーチに活かす方法を見つけましょう。最も簡単な方法は、これから行う発表やスピーチがもたらす良い結果に意識を集中させることです。大成功する様子、伝えたいことを伝えられる喜びを思い浮かべれば、後ろ向きの考えは消え去ってしまいます。

T結果に意識を集中させることです。大成功する様子、伝えたいことを伝えられる喜びを思い浮かべれば、後ろ向きの考えは消え去ってしまいます。アドレナリンがみなぎる感覚を上手く制御して前向きに活用できるようになれば、採用面接のときにも、企業会議や研修のときにもきっと役に立つことでしょう。

2. 自身の見せ方を考える

内容こそが重要なのになぜ姿勢を気にしなければならないのか、と思われるかもしれませんが、立つ姿勢や人々の前で自分をどう見せるかが、実際の内容の受け取られ方、伝わり方に大きく影響することもあります。

TEDトークの素晴らしい講演でエイミー・カディが言っていたように人の心と体は密接に関係しており、一方が何かの影響を受ければもう一方もその影響を受ける可能性が高くなります。きりっと力強い立ち方をマスターしましょう。両足をしっかりと地面につけ、顎を上げれば自然と言葉にも自信がみなぎります。

このヒントは壇上でのスピーチや役員会で前に出るとき、さらには少人数・小規模の集まりの際にも役立ちます。もうすぐ業績評価面談がある、という方は、まっすぐ姿勢を正して椅子に座り、しっかりと相手の目を見ることを忘れないようにしてください。

3. 題材・内容を準備する

次の発表やスピーチを成功させるには、伝える内容をしっかりと把握することが大切です。例えばスピーチの一言一句を書き出したり(ただし、本番で下を向いて紙ばかり見るのはNG)、話す内容を忘れないように、ちょっとしたメモやフラッシュカードを用意したりします。

特に講演や発表が初めてだというときは、この手順を欠かすことはできません。題材をよく知った上であれば、一言一句書かれたものを用意する手順は抜かしても構いませんが、その場合でも所々、声に出して事前に練習しておくほうが無難です。

スピーチをはじめから終わりまで通して実際に話してみるだけでも、内容を覚えることに役立つほか、安心して本番に臨めるようになります。壇上で言葉に詰まったり、不安な気持ちが湧いてきたりしても、この時の記憶が軌道修正にきっと役立ってくれるはずです。これは面接や質疑応答の準備にも使えます。回答をただ思い描くだけでなく、内容を友人に聞いてもらったり、本番のときのように声に出して練習してみたりするとよいでしょう。

素晴らしい話し手になる

信じられないかもしれませんが、人前で話すことはそんなに恐れる必要のないことです。

適切な訓練と心構え、ここでご紹介したヒントをもって臨めば、緊張が楽しさに代わることだってあり得ます。人前で話すスキルを磨くことで、自信が生まれ、有力な候補者として自分自身をアピールできるようになるでしょう。