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日本の労働市場は、現在も依然として売り手市場が続いており、多くの企業が人材不足に悩まされています。特にテクノロジーの分野では、深刻な人手不足が顕著になっており、経済産業省の発表によれば、2030年までに最大で約79万人のIT人材が不足すると予想されています。

また、経済産業省がITベンダーに対して行ったアンケートから、「求める人材が採用できない」「なかなか人材が育成できない」という課題も浮き彫りになっています。

これらの調査の結果からも、企業が競争力を維持するために必要な人材を確保することに非常に苦労していることが伺えます。

現在、どの業種においても、IT人材の育成や採用戦略の見直しは企業の喫緊の課題となっています。本ブログでは、その中でも特に需要の高い5つのIT職種をご紹介いたします。


日本におけるハイテク産業の展望とIT職種の需要の高まり

  • 国をあげてデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されている日本において、ハイテク産業は非常に将来を期待されています。最先端技術である人工知能、ロボティクス、ブロックチェーンなどの分野においても革新的な技術開発が進んでおり、IT人材への需要は高まるばかりです。
  • 日本企業がグローバル市場での競争力を維持しながら持続可能な発展を遂げるために、政府もテクノロジー分野の成長を支援しており、イノベーションを促進する取り組みを行っています。
  • このような状況の中、多くの業種において、ソフトウェアエンジニア、セキュリティエキスパートなど、IT分野における専門家のニーズは増え続けています。

2023年版:需要が高いIT職種トップ5

1. ソフトウェアエンジニア 

デジタル化が進む現代社会において、多くの企業が生産効率を上げるために新しいソフトウェアやアプリケーションを導入しています。また、オンラインショッピングなど消費者が企業とデジタルでつながる機会も増え、様々な年代の消費者がデジタルツールやデジタルソリューションを使用するようになりました。

使いやすく、社内業務の生産性を改善するソフトウェアや、現在の消費者のニーズに応えるソフトウェアの開発はビジネス成功の重要な鍵の一つと言えるでしょう。

また、新しいテクノロジーの進化は加速しており、AIやビッグデータの活用など、革新的な技術を取り入れたソフトウェアの開発も求められています。 これらの要因により、ソフトウェアエンジニアの採用する企業が増えています。

2. バイリンガルのプロジェクトマネージャー 

DXが推進される中、プロジェクトマネージャーは今後も重要な役割を担うことが予想されます。

新しいシステムや、セキュリティ、プロセスなどを展開するにあたり、プロジェクトマネージャーは他のITプロフェッショナルとコミュニケーションを図りつつ、スケジュール管理やリソース管理など多岐にわたる業務をこなします。さらに、グローバル化が進む現代社会において、重要なプロジェクトを円滑に進めるためには、異なる言語や文化を持つチームメンバーとうまく協力しながらプロジェクトを進めていかなければなりません。

国際的なビジネス展開や外国投資は増えつづけており、英語でコミュニケーションを図ることができるバイリンガルのプロジェクトマネージャーは、今後も多くの企業から必要とされるでしょう。

3. バイリンガルのプロダクトマネージャー 

プロダクトマネージャーは、製品のビジョンを明確にし、チームを指揮しながら要件定義からリリースまでのプロセスを管理します。

競争が激化するグローバル市場においてビジネスを成功させるためには、ターゲットとなる地域や国の顧客の期待を理解し、市場ニーズに応える製品を開発する必要があります。こういった製品を開発するためには、異文化間のコミュニケーションと調整が不可欠であり、英語の話せるプロダクトマネージャーが重要な役割を担います。また、最近ではサプライチェーンもグローバル化が進んでおり、異なる規制環境への適応も求められます。

グローバルチームを統括し、異なる言語と文化を理解し、製品の計画、開発、市場導入までを担当できるバイリンガルのプロダクトマネージャーは、企業にとって不可欠な存在であり、その市場価値は高くなっています。

4. インフラエンジニア、ネットワークエンジニア、SREエンジニア

IT基盤の設計・構築・運用・保守を手がけるインフラエンジニアや、ネットワークの設計・構築・保守・運営を担うネットワークエンジニアは、需要が高いIT人材の中でも特に需要の高い職種です。あらゆる技術の活用にITインフラやネットワークは欠かせません。また、DXやIoTを実現させるためにも、バックグラウンドとしてこれらは必ず必要になるため、今後も高い需要が見込まれます。また、同じ理由でWebシステムやクラウドの運用および最適化を行うSREエンジニアのニーズも高まっています。

5. エンジニアリングマネージャー

テクノロジーの進歩とデジタル化の浸透により、技術プロジェクトの規模は大きくなっており、さらに複雑性も増しています。これらのプロジェクトを成功に導くことができるリーダーシップと技術的な洞察力を持つエンジニアリングマネージャーは、企業にとって必要不可欠な存在と言えるでしょう。

エンジニアリングマネージャーの役割は、技術プロジェクトの計画、実行、管理、エンジニアリングチームの指導など多岐にわたります。また、プロジェクトの目標を達成するためには、リソースの割り当て、タスクの優先順位付け、スケジュール管理、技術的な問題やリスクの管理、品質保証など、様々な業務を適切に行わなくてはなりません。これらを担えるスキル、知識、経験を持つエンジニアリングマネージャーは労働市場において非常に需要が高くなっています。


まとめ

テクノロジーの進化は加速しつづけており、ハイテク業界は今後ますます成長していくことでしょう。これに伴い、IT職種の需要も拡大しており、多くの企業が競争力の高い給与パッケージや、働きやすい環境など、魅力的な待遇を用意して優秀な人材の確保に努めています。

DXの推進は今後も多くの企業にとって最重要課題であるため、IT人材のニーズは今後も高まり続けるものと予想されます。需要の拡大は安定性や将来性も期待できるでしょう。

需要が高い分野に進み、自身のスキルと経験の価値を高め、市場での競争力を強化しましょう。ニーズに合わせたスキルや専門知識を習得することで、テック業界へのキャリアチェンジも検討できるでしょう。

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