社内経理の転職市場での需要と必要なスキル・経験・資格とは?

著者 Robert Half on 2023 年 1 月 16 日

転職をお考え中の経理職の人にとっては、現在の転職市場がどうなっているかは気になるところでしょう。自分のスキルで果たして転職先が見つかるのか、そもそも募集は潤沢にあるのかなど、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では経理の転職市場の状況や、転職にあたって必要なスキルなどを紹介します。

経理と財務の業務内容の違いについても触れていますので、転職をお考えの経理経験者の方はぜひ参考にしてください。

経理の求人が転職市場に多い理由は?

経理分野の転職市場は、2021年前半から好況が続いています。現在では人材獲得競争が激化しており、社会情勢や技術革新の影響を受けて、企業が経理に求めるスキルも少しずつ変化してきました。売り手市場となっている理由には、下記の内容が挙げられます。

・経理業務を必要としない企業はない

求人が多い最大の理由は、会社内における経理業務の重要性があります。会社の業績が良ければ業務拡大に向けての増員が見込まれ、業績が悪くても経理部門がなくなることはありません。専門知識や経験が重視される職種であり、欠員が出れば必ず募集があるため、一年を通して求人募集が見受けらます。

・即戦力を求める採用へ市場がシフトしつつある

これまでのポテンシャル採用から即戦力となる人材を求めるように変化しているのも、昨今の転職市場での特徴です。

コロナ禍のダメージから業績回復を目指す企業にとっては、経験の浅い人材を採用して育てていく余力があまりありません。これまでの経験が豊富で、即戦力となるスペシャリストを企業は求めている状況です。

・経理業務プラスアルファの人材が求められている

AI・RPAの発達により、単純作業を実施する経理の人材はこれから減っていくことが予想され、独自のスキルを持った人材が転職市場では求められています。

例えば、グローバル展開する企業においては、IFRS(国際財務報告基準)の知識が求められるでしょう。経営分析や経営戦略の立案、グローバル会計の知見や語学力など、AIやRPAに簡単に置き換えができないスキルを持った人材の市場価値が大きく上昇しています。

会社内における経理と財務・会計との違いは?

企業内において、経理と財務・会計は混同されがちです。しかし、それぞれ明確な役割の違いがあります。

大きな違いは、管理する対象が異なるという点です。経理は「これまで使った費用」、財務は「これから使う費用」、会計は「会社全体の資金」が主な担当となっています。

経理はそもそも「経営管理」の略であり、日々の入出金から財務諸表の作成まで、会社の経営に関わる資金の管理が主な役割です。

具体的な業務内容としては、

  • 売上・仕入処理
  • 売掛金・買掛金の管理
  • 請求書・領収書の発行
  • 現金・預金・小切手・手形の管理
  • 経費の仕訳
  • 決算業務 など

が、挙げられます。

一方、財務は将来的に企業が必要とする資金の計画を立て、実際に運用していく部門で、予算作成・管理や資金調達、資産運用などが主な役割です。

会計業務は、企業における資金全体の流れを把握する役割です。企業の情報開示や税務関連など、外部との対応も会計業務に該当します。会計と経理の業務内容は重なる部分が多く、経理業務は会計業務の一部とも言えるため、会計部門だけを企業内で明確に分業しているケースは多くありません。

業務内容を大まかに分ければ、会計は全体の管理、経理は日常の管理が主な業務と言えるでしょう。決算業務など、大きな仕事を外部の会計事務所へ委託する企業もあります。

経理部門が実施する売上処理や決算資料を基にして、財務部門が予算作成や予算実績管理をするため、それぞれの業務は密接に関係しています。中小企業では会計と経理の業務だけでなく、さらに財務業務も同じ部署や担当者が兼任することも少なくありません。

転職するにあたって有利になる経験・スキル・資格は?

経理職は転職市場では即戦力を求められることが多いため、これまでの経歴とスキルを重視されるケースが多く見受けられます。

例えば、決算業務や特定業種での経験が豊富にあれば、転職時にアピールできるため非常に有利と言えるでしょう。

未経験や経験の浅い求職者は、企業へアピールをするために資格を取得したり経理以外のスキルも合わせて磨いたりするなど、他者との差別化を図ることをおすすめします。

有利となる経験

人材を募集する企業は、求職者の実務経験を重視します。少なくとも2年以上の実務経験がなければ、経験者として扱ってもらえない可能性が高いです。ポテンシャル採用から即戦力を求める採用へ変化してきていることもあり、業務経験は転職ではより有利に働きます。

注意点としては、前職での経験が転職先で求められる業務をカバーするかどうかです。ピンポイントの業務で相当のスキルを持っていても、転職先で広範囲の業務を求められた際に対応できないケースも考えられます。転職の際は、経験を活かせる分野で募集している企業を探すことも大切となるでしょう。ただし、専門性の求められる一部の業界を除けば、転職前と同じ業界であったかどうかは、それほど重要視されないことが多いです。

必要とされるスキル

企業が募集する職種によって、伝票処理などの基本的な能力から決算業務やグローバル会計の知識まで、求められるスキルレベルは幅広くなります。エクセルや転職対象企業が使用している経理システムの経験もあると、なお有利となるでしょう。

また、募集されているポジションにかかわらず、コミュニケーション能力は重要視されます。社内経理は基本的に一人での仕事ではなく、チームとして動くため、チーム内の意思疎通をスムーズに行うためのコミュニケーション能力が求められます。

さまざまな部署とのやり取りが発生することも多く、経理知識がない他部署にも必要な情報を的確に伝えて、業務を進めていく対人スキルが望まれます。

管理職以上の募集であれば、マネジメントスキルも必要です。金銭面でも人的な面でも、全体を把握する能力が管理職には求められます。海外との折衝がある企業の場合、英語力があればさらに有利となるでしょう。

転職に役立つ資格

経理部門の資格は数多くありますが、キャリア形成に役立つと考えられる資格は次の通りです。

  • 日商簿記検定

日本商工会議所が実施する検定で、もっとも著名な検定のうちのひとつです。転職時にアピールできるのは2級以上となり、1級を所有しているとさらにアピール材料となるでしょう。

  • 公認会計士

監査・会計に関する国家資格で、所持していると会計のプロとしてどの企業からも認められます。受験資格はなく誰でも挑戦できますが、医師、弁護士に並ぶ日本の三大国家資格であり、難易度も高いです。

  • TOEIC

業務上で英語が必要とされる企業であれば、TOEICのスコアも転職時のアピールとして利用できます。企業によって評価される基準は違いますが、700点以上が評価対象となるでしょう。

上記以外にもさまざまな資格があるので、狙う業界で必要とされる資格をあらかじめ取得しておくのも良い方法です。

転職時における経理の給与目安については、ロバート・ハーフ給与ガイドをご参照ください。

【まとめ】

転職市場における経理部門の求人は安定しており、売り手市場が続いています。しかし、求められる内容は徐々に変わってきており、通常の経理業務にプラスしたスキルを持った人材が求められています。

自分の持っている能力を十分に活かせる企業を見つけることも、転職では重要なポイントと言えるでしょう。ロバート・ハーフでは、それぞれのスキルレベルに見合った企業の紹介が可能です。経理部門への就職に関するご質問などあれば、ロバート・ハーフまでお気軽にお問い合わせください。

なお、現在募集中の経理財務求人ページはこちらになりますので、合わせてご参照ください。

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