「組織のトップに立ちたい」。ビジネスパーソンに“長期的なキャリアのゴールは何か?”を問うと、こう答える人も多い。しかし、その実現に向けては「どんな経験を積めばいいのかわからない」「具体的なアドバイスが欲しい」といった悩みを抱えていることも事実である。

2022年8月2日、ロバート・ハーフでは、外資系IT企業トップ4名によるオンライン対談セッションを主催した。近年最も注目されているといっても過言ではないSaaS企業のトップにまで上り詰めたパネリスト達が、自身のキャリアの軌跡、次なるゴールやビジョン、そして成功の秘訣とは何か・・・といったテーマに対し、それぞれの考えや思いを赤裸々に語り、ここでしか聞けない貴重な内容のセッションとなった。

【どんな軌跡をたどってきたか】

現在の輝かしいポジションに至るまで、果たして順風満帆にキャリアを築いてきたのだろうか。苦労や挫折はなかったのだろうか。クアルトリクスの熊代氏は「日本のビジネス慣習と本社側との価値観に相違があり、外資系特有の苦労は絶えなかった。徹底的に議論し、日本マーケットに最適化する必要性を伝え続けた。」と語った。卓越したビジネススキルを持つ彼らでも、道のりは決して平坦ではない。紆余曲折がありながらも、目の前の課題から目を背けず、向き合ってきたからこそ評価と信頼を築き上げてきたことが伺える。

何が彼らの気持ちを奮い立たせているのだろうか。日々のモチベーションを聞いてみたところ、Box Japanの佐藤氏はこう語る。「人生の中の仕事であって、仕事の中の人生ではない。オンオフのメリハリをつけ、プライベートも充実させることが結果として仕事の質を高めることに繋がる。」

トップとはいえ、一人の人間である。日々重要な経営判断に迫られる彼らにとって、そのプレッシャーは並大抵のものではないだろう。だからこそ、ビジネスで最大限のパフォーマンスを引き出す上で、心に余裕を持ちエネルギーを満たすことの重要性を説く。

そして、4名のトップたちが口を揃えて述べたのは「自分が成功したとは思っていない」ということだ。真の成功者とは、現状に満足せずさらなる飛躍を求めて走り続ける挑戦者といえるだろう。

Webinar

【次のゴールやビジョンとは】

外資系SaaSトップにまで上り詰めた彼らが掲げる次のゴールや、ビジョンとは何か。ブラックライン株式会社の宮崎氏は「我々のビジョンは、全ての経理財務が経営の羅針盤となる世界を創ること」と語気を強めた。その実現に向けて、同社ではミッションの明文化と5つのコアバリューを設定していると述べる。

また、Braze株式会社の菊地氏は、カスタマーエンゲージメント市場の国内シェアNo.1の実現を掲げ、「我々のプロダクトを使うことでカスタマーエンゲージメントを増やせるという世界観を早期に実現したい。」と熱い想いを語った。

彼らが掲げるゴールは、単に事業拡大や予算達成にとどまらない。組織が目指すビジョンの到達に向けて、社員1人1人のキャリア成長やカルチャー醸成、そして自社のテクノロジーが日本全体にもたらすインパクトまで、多面的な視点を持っていることがわかる。

【成功の秘訣とは】

セッションの最後には、日本の将来を担う次世代のリーダーに向けて「成功の秘訣」についてメッセージを発信した。

熊代氏:「会社から与えられた目標以外に、自分だけのターゲットを定め、それに向き合い続けること。」

菊地氏:「多くの人と接して刺激を受けることと、あらゆる機会をチャンスととらえ経験を増やすこと。」

宮崎氏:「目の前の仕事を一生懸命にやることで、周囲からの評価と評判を勝ち取ること。」

佐藤氏:「若い頃はインプットを増やし、いかに人材マーケットでのブルーオーシャンを見極めるかが重要。」

どのメッセージも本質を突くものであり、将来組織のトップを志す参加者にとって大いに刺激になったはずだ。

90分という短い時間にかかわらず、濃密な内容となった本セッション。終了後のアンケートでは、参加者の9割以上が<非常に満足>し、「ぜひシリーズ化してほしい」との声も多数寄せられるなど大盛況となった。ロバート・ハーフでは今後も対談セッションの開催を予定している。次回の対談セッションも乞うご期待!

ロバート・ハーフ 主催のウェビナー、イベントに関する問い合わせは marketing@roberthalf.jp まで。

【パネリスト紹介】

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