転職する際に給与交渉をしていいのだろうかとお悩みではありませんか。中には、「内定を取り消されるのではないか」「印象が悪くなるのではないか」と感じる方もいるでしょう。しかし、給与交渉は転職活動の大事なプロセスの1つでもありますので、事前準備をしっかりとし、給与交渉に臨みましょう。

本記事では、転職時の給与交渉について、進め方や交渉時のポイントまで解説します。転職を通じて年収アップを成功させたい方はぜひ参考にしてください。

転職時の給与交渉は可能?

結論からお伝えすれば、転職時の給与交渉は可能です。もし、自分の能力に見合わなかったり、相場よりも低い金額を提示されたりした場合などは、しっかりと交渉しましょう。

プロスポーツの世界では査定交渉が行われますが、ビジネスパーソンも同様に積極的に自分自身をアピールすることが大切です。

ただし、最終的に給与を上げてくれるかどうかは雇用主が決定することです。また、企業の慣習によっては、個別での給与交渉に対応していないケースもあります。

無理に交渉を進めてしまうと、印象が損なわれてしまい、最悪の場合内定を見送られることもありますので注意しましょう。

給与の提示額はどのように決まるのか

企業側が提示する給与は、自社の給与テーブル、候補者の前職給与、業界の相場(年次含む)などの総合的な評価によって決まります。

そのため、現実的にどれくらいの給与が妥当なのかを、業界・業種の相場と照らし合わせてシミュレーションすることが大切です。

業界の給与相場を知りたい方は、弊社の最新版給与ガイドを参考にしてください。

転職時の給与交渉の進め方

給与交渉のポイントは「交渉」と「説得」のアプローチを使い分けることです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

給与交渉の進め方 その1:実績・成果を数字で示す ー 交渉アプローチ

給与交渉の議論の対象が金額になる場合は、交渉のアプローチを取ることになります。自分がこれまでにビジネスパーソンとして認められた実績や成果を、数字に換算して提示しましょう。そうすることで、オファー時に提示された給与額が妥当かどうかを転職先が判断する際の材料になります。希望年収の伝え方はこちらも参考にしてください。

給与交渉の進め方 その2:数字以上の理由をアピールする ー 説得アプローチ

もし、異業界への転職などで、数字で示せるだけの実績がない場合は、数字以上の理由をアピールする必要があります。

つまり「私にはこれだけの価値がある」「転職後はこういうことを実現させたい」といったように、自分の想いや考えをじっくりと話して、納得してもらうことが大切です。これを説得アプローチといいます。

納得をしてもらうためには、面接官がどういった質問を投げかけてくるかを予想して、それに対して主張をぶらさずに意見を述べることが大切です。

また説得力を高めるためには、身振りや手振りといった、ボディランゲージも効果的です。背筋を伸ばして良い姿勢を保ち、早口にならずゆっくりと抑揚を付けて話すことも、自信と誠実さを印象づけられるでしょう。

ボディランゲージの重要性については、こちらも参考にしてください。

転職エージェントを頼る

もし、自分で給与交渉をするのが不安に感じるのであれば、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントは企業と求職者の橋渡し役となり、給与条件の交渉もまとめてくれます。

また、転職エージェントは業界相場や企業の内情も熟知しています。そのため、自分の希望額がキャリアに対して適切かどうかや、転職希望先企業に給与交渉の余地があるかどうかも教えてくれます。

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給与交渉のタイミング

給与交渉のタイミングは面接官から希望年収を聞かれたときです。むしろ、このタイミング以外で給与の話を出してしまうと、印象を損ねる可能性があります。最悪の場合は、内定を見送られる可能性もありますので注意しましょう。

例えば、一次面接時など、面接官があなたのことをまだ何も良く知らないタイミングで行うことはNGです。まだ採用するかどうかも決まっていないのに、いきなり給与の話をしてしまうと「給与のことしか考えていないのではないか」と感じられる可能性があります。

また、内定承諾後の給与交渉も避けるべきでしょう。なぜなら、内定承諾とは給与も含めたすべての条件に納得したという意思表示であるからです。内定承諾をしたにもかかわらず、あとから給与交渉をすると入社早々関係がこじれる可能性があります。

給与交渉のタイミングについてはこちらも参考にしてください。

提示された給与に納得出来ない場合

交渉した後の提示額に納得できない場合は、無理に食い下がらず縁がなかったと諦めることも大切です。あなたのことをその給与でも雇いたいと感じてもらえなかったということだからです。無理に食い下がったところで、お互いの印象を悪くするだけです。譲れない条件があるのであれば、他に自分を認めてくれる転職先を探すほうが得策です。

ただし、会社によっては他の社員との兼ね合いや、社内事情の関係でどうしても高い給与を支払えない場合もあります。例えば、会社の業績が苦しい時に給与交渉を持ち出しても、受け入れてもらえないでしょう。

それでも、あなたと一緒に働きたいと熱心にオファーをしてくれるのであれば、入社後に実力を発揮し、査定のタイミングで昇給を狙いましょう。

まとめ

転職時の給与交渉が成功するかどうかは、相場を把握し、自分を正当にアピールすることにかかっています。会社の業績も考慮すべきです。

給与交渉には、「これが正解」といった教科書的なガイドラインはありません。会社によって評価基準も違えば、面接官との相性もあります。また交渉のタイミングを誤ると、それまでの準備が水の泡になることもあります。

しかし、給与交渉は論戦ではありません。転職を受け入れる側にとっても、「あなたを採用して良かった」と信頼を得るためには、面接官の目を見ながらどんなことに貢献していきたいか、なぜ転職したいのかを自分の言葉で語ることが大切です。


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