仕事が嫌いだと思う人は少なくないかもしれません。しかし、自分はその業務が嫌なのか、それとも職場環境が嫌なのかじっくり考えてみたことはありますか?

「汝の愛するものを仕事に選べ、そうすれば生涯一日たりとも働かなくて済むであろう」という名言があります。夢が叶ったかのように聞こえますが、雇用契約の際には理想の職業だと確信していたのに後になってジレンマを感じる人はたくさんいます。なぜなら、会社と仕事、そのどちらが好きなのかをはっきり認識することが難しい場合もあるからです。

ここでいう「会社」とは社風、同僚との人間関係、会社の方針などあなたの「労働」に纏わる事柄を指し、「仕事」とは社員として遂行する具体的な業務や職務内容を指します。自分が選択した分野に対して、持っている興味や情熱の度合いも「仕事」の中に含まれます。

例えば、生活のための仕事が好きでも、同僚とのことを考えると気持ちがふさいでしまうのであれば、その会社があなたに合っているとは言い難いかもしれません。

あなたがどの状態にあるのか、ケーススタディで検討してみましょう。

ケーススタディA:仕事は好きだが、会社が嫌い

きちんと結果を出していて、プロフェッショナルとしての目標も達成しているが、チームと一緒にランチを食べるのは気が重く、自分の仕事場にこもってテイクアウトを食べている。チームとの話し合いが口論のようになってしまう。一方で、社内における次元の低い駆け引きや抑圧的なオフィス文化と毎日向き合わなければならないが、仕事そのものからは大きな満足感を得ている。

このような方は、会社ではなく仕事が好きだと言えるでしょう。会社が嫌いな原因は、同僚かもしれません。上司かもしれません。あるいは、あなた自身にあるかもしれません。会社を好きになる方法と周りに溶け込む方法を見つけるか、もしくは自分に合った別の会社やポストを探しましょう。

ケーススタディB:会社は好きだが、仕事が嫌い

上司が気にかけてくれて、サポートしてくれる。チームと過ごす時間が楽しみだと思えるし、プロジェクトで協力するのも楽しい。しかし、真剣に仕事と向き合おうとすると気持ちが萎えてしまう。自分のしていることについて熱く語ろうと頑張ってみても、なかなかそれができない。

このような方は、おそらく会社が好きなのであって、仕事が好きなのではありません。自分の得意分野の業務ではなく、ほかに関心がある可能性があります。あと5年、10年と今の分野で働くことを想像できないのであれば、キャリアを見つめ直す時期かもしれません。

ケーススタディC:会社が嫌い、仕事も嫌い

「こんなこと、目をつむっていてもできる。退屈で眠たくなるぐらいだから」、「このくだらない作業にどれだけ血と汗と涙を無駄にしたことか」などと感じている。通勤途中に泣きたくなる。会社にいる間は、終業時間を待ち望んで時計ばかり見ている。同僚のことが嫌いで、同僚も私を嫌っている。上司とのやり取りは、頭に来たり、あきらめの境地に達したりすることばかり。

もしもこのように感じているのなら、そこに愛はありません。フレッシュなスタートが必要な場合もあるのです。時間を有効に活用して今の職場で学べることはしっかりと学び、損失を最小限に抑えて、次の職場を探しましょう。状況を改めるべく、しっかりと現状を見つめ直し分析して適切な行動を取ることです。

ケーススタディD:会社が好き、仕事も好き

自分のやっていることから充足感を得られ、自信を持たせてくれて、時には手を差し伸べてもくれる人たちに囲まれている。いつも順風満帆というわけではないが、意見が対立してもすぐに解決策が見つかり、オフィスが第二の自宅のように感じられる。同僚は仲間であり、家族のようでもある。

おめでとうございます!あなたは夢のような人生を歩んでいます。会社を好きになる方法や仕事を好きになる方法といったアドバイスはあなたには必要ありません。それらは既に実現できているのですから。この状況に感謝して、今の職務の遂行に最善を尽くしてください。

あなたの現状がどのようなものであっても、改善する余地は常にあります。それは会社にも自分自身にも言えることです。重要な管理職に就いていたとしてもネガティブな環境では会社に前向きな変化をもたらすのに時間がかかるものです。自分が情熱を注げるものは何なのか具体的に説明できれば、より良いキャリアを築いていける決断が下せるようになるでしょう。