ちょっとした履歴書の嘘なんて誰もがやっているとの考えは、それ程的外れなことでもありません。

アジア太平洋地域で2014年に行われた調査では、雇用関連の不一致などの経歴詐称が実に54%もあることが分かりました。

中でも最も多かったのが、前職の役職や呼称、離職理由の相違でした。

スキルの誇張に伴うコスト

履歴書は、あなたの資格や能力を最も良く見せ売り込むためのものです。少しぐらい誇張したとしても問題ないように思えるかもしれません。

しかし、それは間違いです。履歴書や面接で嘘をつくことは、印象を良くするために身だしなみを整えることとは異なります。会社を欺き、あなたにビジネスの発展を担わせるように仕向ける詐欺的な犯罪行為です。

確固とした職務経歴がないと仕事に就けない可能性はありますが、経歴詐称をすればより多くのものを失う羽目になります。

今のインターネット時代では、嘘に気付かれないように振舞うのは容易ではありません。職を失ったとしてもそれは氷山の一角です。事実、失職するだけで済めば幸運と言えるでしょう。

詐欺を働いたと露見することから生じる悪影響は長期に渡って続き、これから先、一生の間あなたのキャリアや評判に大きく差し障ることでしょう。

当局に通報されれば、重い罰金や懲役、あるいはその両方を受けることになります。さらに、雇用主が被害を受けたとして、あなたを訴えるかもしれません。

嘘は簡単にバレる

昨今のインターネット時代、経歴詐称を上手く遣り果せるのは難しいものです。最近ではほとんどの人がLinkedInにプロフィールを載せています。過去のメールやブログ、ソーシャルメディアのアカウントなどウェブ上であなたが残したその他のデジタルな足跡もたくさん存在します。

あなたが慎重に築き上げた表向きの姿を崩壊させるきっかけにはたった1人の誰かが矛盾した情報を見つけ出してしまうだけで十分なのです。

あなたは、持っていると称したスキルや能力に基づいて結果を出すよう期待されることでしょう。結果が出せなければ、能力について正直ではなかったことがばれてしまいます。

履歴書に嘘をつかずに、ありのままで水準以上の魅力的な給与について交渉する術には、はるかに良い方法が存在します。ロバート・ハーフの給与ガイドには業界別の水準が詳細に記載されていますので、ぜひご覧ください。

経歴調査が一般化している

実際のところ、アジアでは経歴詐称が増加しているように見受けられます。最も多いのはシンガポールで18.88%、続いて香港の16.38%です。これに対抗するため、雇用主や人材会社は採用候補者について今まで以上に厳密な経歴調査を行うようになっています。

嘘が明らかにされる可能性はこれまでになく高まっているのです。

スコットランドの詩人、作家であるウォルター・スコット氏はかつて次のように記しました。「ああ、一度人を欺こうとすると、我々はなんと入り組んだクモの巣を紡ぐことか!」。これは当時も今も真実です。嘘は嘘で塗り固めなければなりません。

しかし、大抵の人は結局最後には失敗するのです。目先の利が長期損失を上回ることはほとんどありません。

就職活動においては、経歴詐称になり得る嘘はつかないことが間違いなく最善の策なのです。