波に乗る:アジア金融業界の動向

波に乗る:アジア金融業界の動向

アジアの金融業界では、依然として厳しい競争が繰り広げられています。市場はすで飽和状態であるにもかかわらず、アジアの発展にあやかろうとするリテールバンキング、投資銀行、信用組合、投資顧問会社、保険会社などが新たに参入し続けています。

アジアの消費者の懐疑姿勢

グローバル企業と現地企業のどちらにとっても、アジアの金融市場で大きなシェアを獲得し、それを維持するのは容易ではありません。アジアの金融機関は、今後も大手法人顧客から巨額の収益を得る一方で、顧客層の多様化を受けてリテールバンキング事業で優位に立つことは難しくなると思われます。

さらに、世界的な経済危機の結果、金融業界は個人預金を安全に保管する場所としての信用を失いました。アジアでは、金融機関への預金を望まないリテール顧客が増加しています。この傾向は、日本をはじめアジアの数ヵ国で特に顕著です。

金融機関を待ち受ける関門

アジアの金融業界では、一部少数の選ばれた企業が引き続き優位に立ち、新規参入企業は中国、韓国、インドなど特定の国に集中する見通しです。

しかし、アジア市場への参入は容易ではありません。厳しい規制要件、経済の不安定性、不正行為や汚職の可能性、ブランドのネットワークや流通網の構築の難しさなど、多数の難関が控えています。

金融業界は常に変化

アジアのみならず、世界の金融業界は常に変化しています。絶え間ない新規参入や新しい規制の導入、投資銀行業界のトレンドの変化が、特にアジアの金融業界を動かしています。

幅広い人口統計の推移も、変化を促す大きな要因となっています。金融サービスは、大規模な都市化、中流階級の成長、モバイル技術の普及によって、アジアの数百万もの人々が利用するサービスとなるでしょう。

アジアの金融機関は、これらの変化がもたらす機会をとらえるという点で有利な立場にあります。ホームグラウンドの強みがあり、地元市場の知識や既存の顧客基盤、ブランドの認知度を活かせるためです。

しかしながら、アジア金融市場のシェアを狙うグローバル銀行との人材獲得競争に直面することは避けられないでしょう。

アジア金融業界の根底を支える人材

アジアの強みは人材にあります。最新のロバートハーフ2015年版給与ガイド  (給与ガイドをダウンロード: 日本 | シンガポール | 香港 | 中国) でも明らかにされているとおり、アジア金融業界にとって人材は今後も最も強力なリソースのひとつであり続けるでしょう。

シンガポールは、グローバル市場のハブのひとつとして頭角を現していることから、金融サービス業界の優秀なプロフェッショナルをめぐる競争の激化が予想されます。収益拡大を図る金融機関は、プライベートバンキング、コーポレートバンキング、資産管理部門などの経験がある優秀な人材を競って採用しています。

香港では、金融サービスのプロフェッショナルで構成されるチームを拡大したいという意向が、金融サービス業界の幹部の間に見られます。人材獲得競争は今後も厳しい見通しで、保険、プライベート・エクイティ、ヘッジファンドなどのセクターの会計や規制報告に精通したプロフェッショナルの需要が最も高くなるでしょう。

日本の金融業界は、アジア内外でのビジネスを率いることができる、マルチリンガルでコミュニケーションスキルの高いプロフェッショナルを積極的に採用しようとしています。

順応する意欲が重要

アジアの金融業界は、この地域の課題を踏まえて、新しい技術や市況、さらにはさまざまなスキルセットを持った新しい人材を受け入れ、順応していけるようにならなければなりません。

アジアの金融機関は、今後も新しい規制や改革に合わせてビジネスモデルを更新し、革新的な技術を取り入れ、アジアの顧客に最大限の保護と価値、そして満足感を提供していく必要があるでしょう。

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