優秀すぎる人材を採用するべきか

Should you hire someone who is overqualified for a job?

「優秀すぎる」候補者を選考対象から外すことで、理想的な採用のチャンスを逃している可能性があります。もちろん、必要以上に能力が高く見える候補者の採用を検討することにはリスクが伴います。しかし、良い結果を出せるのであればメリットでもあります。

採用担当者は通常、最も優秀な人材ではなく、求人職種にぴったりマッチする人材を採用するものです。必要なスキルと経験を持ち、その職種に対してやり甲斐を感じ、積極的に取り組んでくれる社員です。自信を持って初日から業務に貢献することができ、それでいて既存のチームにうまく溶け込んで、波風を立てない人。自主性があり、人助けがなくても仕事を遂行することができ、それでいて指示にも従える人です。

リスク

優秀すぎる人材を採用した結果、どんなリスクが待っているのでしょうか。仕事に不満を感じないでしょうか。チーム内で問題を起こさないでしょうか。地位を失ったことを腹立たしく思ったり、自分よりも若い、あるいは経験の浅い上司を持つことを苦々しく思ったりしないでしょうか。

他に良い仕事が見つかれば、転職していくのではないでしょうか。そのうち昇給を要求してくるのではないでしょうか。これらはすべて、かなり可能性の高い筋書きであり、オファーを出す前にはしっかりと検討しておくべき点です。

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メリット

優秀すぎる候補者は、会社に多大な貢献を果たすことができます。このような人材は通常、あまりトレーニングを必要とせず、それほど指導やマネジメントに手間がかかりません。

投資に対して高いリターンをもたらしてくれるだけでなく、新しい発想や経験に裏付けられたノウハウをチームに与えてくれます。また、経験豊富な人は、次世代の社員のためのメンター役や先生役を務めることもあります。チームの士気を高め、能力開発をサポートするという点で、真価を発揮できる可能性があります。

どうすれば見分けられるのか

採用における間違いは会社に大きなコストをかけてしまいます。大きなメリットを得られる可能性があるとしても、それだけのリスクを取るには勇気が要ります。こうした懸念を裏付ける研究が数多く存在し、優秀すぎる候補者は仕事に対する満足度や精神的な健康状態が低い傾向にあるということが明らかになっているのです。

しかし一方で、優秀すぎる社員を管理することは可能だと示唆する証拠も存在します。応用心理学の専門誌『Journal of Applied Psychology』に発表された2009年の研究では、優秀すぎる社員は他の社員よりも高いパフォーマンス評価を受けていて、能力に見合った責任範囲と課題が与えられることで仕事に対する満足度は高めることが出来ると結論付けられています。

採用前に検討すべき点:

1. なぜその候補者は、自分の能力よりも低いレベルの仕事に応募しているのか。
景気が悪い時は、優秀すぎる候補者が雇用市場に溢れる傾向にあります。そのような候補者にとって、応募している仕事は望んで就くというよりも、必要だから就く類のものなのかもしれません。一方、子育て、病気、定年退職などで雇用市場から押し出され、再就職を求めている候補者という場合もあります。あるいは、より良いワークライフバランスのために、あまり要求の高くない仕事を求めているということもありえます。こうした候補者はその仕事に就けることを非常にありがたく思えることでしょう。

2. この仕事に何を期待し、何を求めているのか。
ステップダウンとなる仕事を喜べているのでしょうか。それとも、もっと良い仕事に繋がることを望んでいるのでしょうか。豊富な経験に適切な態度が伴えば、優秀すぎる人材の採用は大きなメリットをもたらす可能性があります。

3. その人の特別なスキルを使う必要があるのか。
長期的な取り決めではない場合でも、その人のスキルや経験を会社の事業の発展に役立てる方法はありますか?解決しなければならない問題がありますか?チームにメンター役が必要でしょうか?

4. 将来、その候補者のニーズを満たせるような昇進や成長の機会があるか。それまでの間、割安の人件費で価値をもたらしてくれるか。
優秀な人材というのは、自分のスキルを活用して事業を成長へと導く術や豊富な人脈を持っているものです。優秀すぎる候補者を雇うことで、新たな水準の事業成長やビジネスチャンスの扉が開かれるかもしれません。

これは必ずしも簡単な選択ではありませんが、優秀すぎる候補者に対しては適切な質問をして、課題について率直な会話をしておきましょう。おのずと採用の決断を下し易くする情報が見えてくることでしょう。

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