人材獲得の競争に勝つ

市場競争の激しい現在、自分の会社に新しい人材を誘致することは、かつてほど容易ではありません。必要な人材をできるだけ確実に獲得する採用戦略を、いくつかご紹介します。

今年も新しいスタッフを楽に採用できると考えている方は、考えを改めたほうがよいでしょう。刻々と変化する情勢の中で、多くの業界の雇用主が、市場競争の激化に戸惑っています。

このほど商業/金融サービス業界の経営幹部300人を対象にロバートハーフが行った調査によれば、日本の回答者10人中8人が、熟練したプロフェッショナルを見つけるのが難しいと回答しています。

例えば、需要の高い財務・会計プロフェッショナルの場合、候補者が複数のオファーを天秤にかけた結果、給与が上がることは珍しくありません。雇用主のほうでも、貴重なスタッフを引き留めるオファーを提示します。

必要な人材を獲得する確率を上げるには、採用戦略に磨きをかける必要があります。

動きは迅速に
自分がどのような人材を探しているのか、明確な基準を持ってください。

何を求めているのか考えないままに面接すると、本当に欲しい人材に、まとまりを欠いたプロらしくない雇用主と思われてしまう恐れがあります。また、採用のプロセスが長引きがちになり、オファーすら提示しない間に優秀な求職者に逃げられてしまいます。明確な基準を設定することで、的を射た質問をし、どの求職者を選考に残すか、賢い選択をすることができます。

1つにすべてを賭けない
競争の激しい市場で優秀な人材を見つけるには、1つの採用経路に頼らないことです。例えば、オンライン広告だけに頼っていては、ニーズにぴったりの求職者を見つける確率は上がりません。

もっと幅広い手を打ちましょう。業界団体の会合に顔を出し、人脈を広げることも効果的です。求職者に出会えなくても、理想の求職者を知っている人がいるかもしれません。どんな人材を雇用したいのか、口コミやソーシャルメディアでも積極的に宣伝します。

専門的な人材紹介会社も有力な助っ人です。地元企業に精通したスカウト担当者が、あなたのニーズに適したプロフェッショナル(たとえ求職活動をしていなくても)を知っているかもしれません。

現在の従業員にも協力を求めることをお忘れなく。結局のところ、会社でどんな仕事をするのか、チームにどんなスキルが必要なのか、一番よく理解しているのは、従業員です。推薦した候補者が採用された場合には、その従業員に紹介料を出すことも検討しましょう。

説得力をもって
面接を始める前に、面接とは双方向のやり取りであることを念頭に置いておいてください。あなたは、求職者が仕事に適任かどうかを確認しようとし、求職者はあなたと会社を品定めします。

仕事の内容をアピールする明確な計画を立てた上で、面接に入りましょう。福利厚生や各種手当についても伝えます。フレキシブルな勤務時間、在宅勤務、子育て支援など、独自の制度や特典も有力な武器になります。

財務業績が堅調なら、その情報も共有します。事業拡張計画などがあれば言及し、保証はしないものの、近い将来に従業員を削減するつもりがないことを示しましょう。だれでも安定した会社で働きたいものです。

一部のスタッフにも候補者を紹介してください。スタッフは、どんな組織で働くことになるのかを具体的に教えると同時に、候補者の印象をあなたに伝えることもできます。

いいかげんな態度は禁物
需要の高いプロフェッショナルを獲得したいなら、面接で候補者に不安を抱かせるようなことを言ってはなりません。「もし、あなたが建物になるとしたら、何になりますか?」など、場違いな質問をすると、候補者はそれが会社での仕事を示唆するものと考え、去ってしまいます。逆に、温かい言葉、適切な場面での笑顔など、小さな行動が候補者を大きく引きつけることもあります。

次回の面接までの時間が開きすぎるのも禁物です。その候補者を真剣に獲得したいなら、すぐに次の面接の日程を決めましょう。面接を手際よく進め、1、2回で重要な意思決定者に会わせます。貴重な時間を割いてもらったことに感謝し、お気に入りの候補者がまだ人材市場にあるということを念頭に置いて、オファーを提示する必要があります。

仲間の一員に迎える
特定の求職者を「すごい」と思ったら、他の雇用主もそう思っていると見て間違いありません。最終候補を絞ったら、すぐにオファーを提示できる準備が必要です。

できるだけ魅力的な条件を盛り込みましょう。給与が上昇傾向にある現在、報酬が低いという理由で有望な人材を失うのは悔いが残ります。最新の給与調査情報や政府報告書を読み、時代に合った額を提示してください。

人材を獲得するためにできるだけのことをすると言っても、行き過ぎてはなりません。1人を獲得するための努力が、他のスタッフの意欲を削ぐことがないよう注意してください。状況の流れで、既存の従業員に対する報酬や手当と不釣り合いなオファーを提示してしまうことはよくあります。秘密にしても無駄だと認識してください。

人材獲得に成功するポイントは、結局のところ、綿密な計画にあります。候補者探し、面接、オファーの準備がうまくできているほど、現代の市場で必要な人材を獲得する可能性が高まります。周到な準備で、まだ買い手市場だと思っている他の雇用主の優位に立ち、採用のプロセスをスムーズに進めてください。

タグ: 採用, 経営戦略

このページをシェア