戦略的思考力とは、文字通り、戦争における計略を考えるスキルのこと。「生き残る」という目標に向けて、先人たちが命をかけて培ってきた戦略的な考え方を体系立てて、ビジネス・日常生活に応用していく力のことです。
戦略的思考はさまざまな解釈があり、多くのビジネス書でも取り上げられていますが、その本質は「ゴールに向かってどんな道筋をひくか」ということです。 「戦略的思考力がある人」とは、その行為がどんなゴールにたどりつくか、その行為がどんなプラスを生むかという結末を常に見すえて、その結末に向かって目標を立て、行動できる人といえます。 普段の何気ない行動にも、どんなプラスを生むかを考えるトレーニングをしましょう。例えば、同僚からちょっとした頼まれごとをしたときも、それによって自分にどんなプラスを生むか(どんなメリットがあるか、どんな学びがあるか)を考える癖をつけていくのです。「こうなったらどうなる?」と自問自答を繰り返すことが大切です。
戦略的思考の教科書的存在として知られる、クラウゼウィッツの『戦争論』によると、戦略とは、「目的」を達成するために手持ちの資源をどのように配分するか「選択」すること、とあります。組織における資源とは、「カネ」「ヒト」「モノ」「情報」「時間」「知的財産」に大別できます。目的達成のために、これらをどう選び取り、どう配分するかを考えていくのが「戦略」というわけです。 このとき、特に必要な能力は「捨てる」こと。ゴールに向けて不要なこと、優先度の低いものを見きわめて、場合によっては捨てるという判断も必要になります。 常に戦略的な思考で物事に取り組んでいると、さまざまな条件が絡まり合った混乱状態から、最終目的にたどりつくための最善の道を見つける能力が身についてきます。どんな現場でも解決策を見出せる能力、それこそが、戦略的思考力のたまものです。