仕事探しは簡単ではありません。苦労の末にやっと手にした内定。次にとるべき手順はその仕事を引き受けて新しい生活を始めるかどうかの決定です。

口頭による約束が基本だった昔のなごりで、電話やメールで内定の連絡を受けることも珍しくありません。現在の法律では、雇用者から被雇用者に書面による契約書を提供することが求められています。しかし実際には、通知書類が送られてくる前に電話やメールで非公式の連絡を受けることはよくあることです。

.承諾前には、新しい仕事が果たして正しい選択かどうかを落ち着いて見極めることが大切です。

承諾前に検討すべきこと

選考突破の連絡にはついつい舞い上がってしまうものですが、申し出を受け入れる前には考えておくべき大切なことがあります。

本当に自分に合う仕事でしょうか?適性はどうでしょう?

新しい仕事が自分に合いそうかどうかを見極めるためには、次の点を検討してみましょう。

  • 挑戦できる仕事かどうか。
  • 求められるタスクに興味を持って取り組めそうか。
  • 自身の価値観と企業の価値観が一致しているか。
  • 従業員のキャリア開発を支援している企業か。
  • 自身のライフスタイルに給与が見合っているか。

真剣に検討した末、「この仕事がしたい!」と思う場合は、正式な承諾手順に進みましょう。

社会人にふさわしい内定受け入れマナー

直接会って受け入れの意思を伝える機会がなくても心配はいりません。まずは非公式に内定の連絡をもらった際の対応を考えておきましょう。どのような受け答えが適切でしょうか。

「検討します。」と伝えることや、「書面による契約書を確認してから正式に返事をする」と伝えることは決して悪いことではありません。逆にそうすることの方が好ましいと言えるでしょう。契約内容を検討・確認すれば、可能な場合にはそれについて交渉したり、面接では触れなかった小さな文字でびっしりと書かれた詳細事項を確認したりすることもできます。

電話の場合

参考として、受け入れ前の手順をご紹介します。

  1. 非公式な連絡を受けた場合、企業の担当者に貴重な機会が与えられたことのお礼を言います。人材紹介会社から連絡があった場合は、彼らの時間と力添えに感謝の言葉を伝えましょう。
  2. 正式な書面の通知がいつ送付されるのかを尋ねましょう。これにより、契約書に書かれた内容を確認する時間が必要だと伝えられます。また正式な書類を出さないと言われた場合には、そうした不誠実な企業を回避できるという2つの利点があります。
  3. 最終的に尋ねたいことがある場合は、その際に質問しておきましょう(例:予測される勤務開始時期、正式雇用の前に必要となる手続きなど)。
  4. 電話を切る際には、再度採用してもらえたことへの感謝を述べ、「書面での通知をお待ちしています。」という確認のひと言を添えましょう。後日、質問がある場合に連絡できるよう担当者の名前と連絡先も忘れずに控えておけば安心です。

メールの場合

通常は電話の場合と同じ手順ですが、ひとつ違うのは、面接官または人材紹介会社の担当者からデジタル版の雇用契約書が送られてくることがあるということです。その場合は、まずは受け取り後すぐに返信し、機会が与えられたことへの感謝をしましょう。必要に応じて契約書の内容を確認するための時間が必要であること、そして近日中に返事をする旨を伝えましょう。この場合も、正式な承諾をする前に必ず不明な点についての詳細を尋ねることが大切であるのは同じです。

メールで承諾を知らせる場合におすすめの方法は以下のとおりです。

  1. 初めに送ったメールのトーンに合わせます。改まった文章で書くことが多いものですが、迷った場合は最も安全な方法をとるべきです。常に丁寧な文章を心がけます。
  2. 簡潔さを大切にします。感謝の気持ちを表すことは大切ですがやり過ぎは禁物です。また質問がたくさんある場合には、電話で尋ねるかもしくは直接会って質問する機会を設けてもらう方が賢明です。多すぎる質問は受信箱の中で埋もれてしまうことになりかねません。
  3. 文章構成・スペルチェック機能を活用しましょう。素晴らしい第一印象を与えることができたら、今後はその維持も大切です。
  4. 以下のような重要事項は再確認しておきましょう。
    • 勤務開始日時
    • 給与と福利厚生
    • 勤務開始までに済ませておくべきこと

内定はうれしいものですが、頭の中を整理しておき、どう対応すべきかを予習しておくのが賢明です。感謝を伝え、詳細を確認し、不明な点は遠慮せずに尋ねましょう。これらを念頭に置けば、新しい仕事をスタートする日がすぐに現実のものとなるはずです。

最適な職場探しをお手伝いいたします。