別の企業から自身の理想により近い職務の採用通知をもらった時や、雇用先としてその企業に確信が持てない時など、就職活動中には内定を辞退すべき時があります。
断る理由はさまざまですが、実際に断らなければならないときは今後の可能性を潰さないようにきちんとした方法とマナーで行うことが大切です。
後悔しないよう、しっかり決める
「断る」ことを軽い気持ちで決めてはいけません。せっかくのもたらされた機会ですから、本当にその決断が正しいかどうかを今一度確認してみましょう。あなたの断る理由何でしょうか?この先、気が変わる可能性はありませんか?一度断ってしまうとその機会は次の人のところへ渡ってしまい、もう2度と戻りません。
もし給与額が問題であれば、引き上げの交渉も可能であることを心に留めておくといいでしょう。
心が決まれば、早めに行動
誰でも面接後は結果が届くまで何週間も待たされるのは嫌なものであり、それは企業側も同じです。決意が固まった後は、早急に面接官に知らせることが大切です。
採用の遅れは採用チームにとって高い費用がかかるだけでなく、候補者にとっても将来的にその企業で働きたい思った場合、自身の評価を下げることにもつながります。
内定辞退の伝え方を考える
内定辞退を伝えるやり取りは気まずいものですが、常に社会人としての振る舞いを忘れないことが大切です。メールで伝える人も実際には多いものですし、悪くはありませんが最も好ましいのは最低限電話を掛けて丁寧に伝えることでしょう。
ただし、何度かけてもつながらない場合は相手になるべく早めに伝える方を優先すべきであるためメールで伝えざるを得ない状況もあります。
機会が与えられたことに感謝する
面接官は今回の内定を出すに当たって多くの時間を検討に費やしたはずです。レジュメを読み、経歴、ポートフォリオを精査し、ソーシャルメディアのアカウントで内容を確かめただけでなく、採用チーム内であなたという候補者を推すべく議論までしたかもしれません。
従って担当者個人に心を込めてお礼を言うことが大切です。そのときの雰囲気で、適切な範囲で親しみを込めた冗談を交えるなどすると良いかもしれません。自分を候補者として検討するための時間を割いてもらったことに対して感謝を伝えてください。「いつか機会があればまたお世話になります。」の一言を添えましょう。
理由を伝える必要は?
内定辞退の理由を伝えるかどうかは人それぞれですが、断る理由によるところも大きいでしょう。例えば、企業のやり方に疑問を感じた場合などはそのことを口に出さない方が得策です。
しかし面接に多くの時間を費やし、採用チームを深く知るようになった場合には、理由を伝えることが相手を尊重することにもなります。ただし事細かに説明する必要はありません。最良の策は正直に手短に伝えることです。
以下に断る際の理由を例に挙げます。
「慎重に検討させていただきました結果・・・
- この度はより自分のキャリア目標にあった他社への就職を決意しました。」
- 今はまだ現在の職を辞めてほかに移るべきではないという判断にいたりました。」
- 現在の自分に最も合う職務ではないという考えにいたりました。」
関連性があり、適切な範囲であれば内容を付け足しても構いませんが、自らを窮地に追いやることのないよう、相手を不快にさせないよう気をつけてください。
将来のつながりを維持する
産業によっては、同業者の世界が非常に狭いこともあります。今回は辞退するものの、将来その会社で働くことに興味がある場合や面接官との間に良好な関係を築いていた場合などには特に、そのつながりを維持することをおすすめします。
最後の連絡から1か月後を目安に挨拶のメールを送ります。LinkedInなどのソーシャルネットワークを利用している場合は、オンライン上でキャリアをフォローすると良いでしょう。コーヒーやランチに誘ってみても良いかもしれません。紹介や推薦によって仕事を得ることも多いものです。
こうした状況での会話はぎこちなくなりがちではありますが、丁寧な社会人らしい姿勢を維持すれば、さほど困ったことにはなりません。逆に「ネットワーキングの機会」と前向きに捉えるのがおすすめです。ひとつの機会が終わりを迎えても、また別の将来的にさらに良いものにつながる機会が生まれるでしょう。