あなたの優先事項に従業員の維持が入っていなければ、今すぐ入れてください。労働市場の変化とともに、多くの雇用主が、もはやご自身が絶対的な立場にないことを悟りつつあります。本気でスタッフを喜ばせなければ、優れた人材をライバルに奪われてしまうかもしれません。

うれしいことに、従業員を定着させる有効な方法の多くは、ほとんど、あるいはまったくお金を必要としません。ここでは、従業員を引き付けるポイントをご紹介いたします。

明確なキャリアパス

従業員は、あなたの会社で自分に将来があるかどうかを知りたがります。チームメンバーと定期的に顔を合わせ、キャリア上の目標や社内での達成方法について話し合いましょう。メンターやトレーニングプログラムなどのリソースを紹介し、上司として目標達成をサポートすることも大切です。

評価

スタッフの公正さと地道な努力に注目し、業績を評価あるいは表彰する制度を設けましょう。リーダーが自分の貢献を心から認めていることがわかると、従業員の意欲と忠誠心は高まります。ただし、いつも同じ従業員を表彰したり、義務的に褒めたりすると士気が下がります。

昇給、ボーナス、その他の金銭的な報酬も悪くありませんが、スタッフ全員の前で感謝の言葉を述べることにも意味があることを理解してください。称賛や感謝の言葉に加え、地元のレストランで使えるギフトカードなど、小さな賞品を贈るのもお勧めです。

自由

1日中、仕事を見張られていると、だれでも生産性が落ちますし、信頼されている気がしません。優秀な人材ほど、ある程度の自主性を望みます。たとえ物理的に見張られていなくても、仕事を進める前にいちいちマネージャーの承認が必要だったり、頻繁に報告しなければならなかったりすると、スタッフは細かく管理されていると感じます。

あなたが慎重に検討して採用した従業員なら、必ず仕事をやり遂げてくれるはずです。プロジェクトの冒頭に十分な情報を与え、後は従業員の自主性に任せましょう。そのほうが、臨機応変に行動してくれるものです。    

柔軟性

従業員にとって、柔軟な勤務形態は最も魅力的な条件の1つです。これには、家族が病気になったときに病院へ付き添ったり、学校行事に出席したりすることから、自分の勤務時間を自由に決めることまで含まれます。

あなたは、従業員が仕事とプライベートのニーズをバランス良く満たす手助けをし、時間に追われるスタッフから感謝されることでしょう。このような待遇は、スタッフに対する思いやりを示し、強い愛社精神につながります。

コーポレート・シチズンシップ

皆様、世の中のためになる会社で働くことを望んでいます。あなたの会社がその部類に入るかどうか、自問してください。顧客や従業員と接するとき、倫理を重んじていますか? 製品は安全で信頼できますか? 常に公正と多様性を心がけていますか? 会社として地域社会の取り組みを経済的に支援したり、ボランティアを派遣したりしていますか? 環境スチュワードシップを示していますか?

社内の全員が1日、チャリティーイベントに参加するなどの企画は、やる気と忠誠心を育む有効な手段です。

働きに応じた報酬

賃金も、従業員にとって非常に重要な要素です。市場価値より低ければ、その従業員あるいはその仕事の価値を認めていないことになります。不況時に昇給やボーナスを控えたまま、まだプラスに転じていないなら、あなたはいつスタッフを失ってもおかしくありません。

業界報告書、給与ガイド、政府統計などを読み、従業員の給与を検討する時間を作りましょう。労働市場の変化が激しい分野も多いため、少なくとも年に1回はしっかりとトレンドを把握する必要があります。

報酬と待遇に加え、ちょっとした従業員特典についても見直しましょう。これには、休憩室で自由に食べられるヘルシーな軽食、会社内のフィットネスルーム、仕事に役立つ勉強をする際の学費補助など、さまざまなものがあります。このような特典は、従業員の定着に役立つだけでなく、新人を採用する際にも魅力と映ります。

明確なコミュニケーション

最後になりましたが、誤解のない意思疎通が、すべての従業員維持対策の基礎となることを忘れてはなりません。会社の状況や動きについて、常に最新情報を伝えましょう。従業員は皆、自分が組織の重要な一員であり、今後の計画にも関与しているという感覚を望んでいます。

計画や取り組みについて、従業員の意見やアイデアを募集しましょう。早くから関与していればいるほど、プロジェクトの結果にも一生懸命になるものです。

あなたがどれだけ努力しても、人間関係のもつれや過度のうわさ話があると、会社は面白くない場所と考えられてしまいます。スタッフ間の問題には直ちに対処し、大きな問題に発展しないようにしましょう。

迅速な行動が、従業員の意欲と忠誠心を高めます。常に最良の人材を確保し、ビジネスニーズの激しい変化に対応しましょう。