パフォーマンス評価はパフォーマンスマネジメントの必須部分で、従業員の貢献、改善点、年次の発展目標によるキャリア構築に関してフィードバックをする絶好の機会です。

ここではどのように準備し、パフォーマンス評価を実施すればよいかパフォーマンス評価向上のヒントを交えてみていきましょう。

パフォーマンス評価の実施時期

年次パフォーマンス評価の実施時期は重要です。繁忙期を避け、従業員一人一人と綿密に面談できることが望ましいです。従業員のパフォーマンス評価のプロセスは継続的であることに価値があります。年次の正式な評価面談を待たずして、より頻繁にメンバーと向き合い、適切なタイミングでフィードバックやアドバイスを与えることが欠かせません。

年間を通して日常的に個々の従業員パフォーマンスをメモし、情報を蓄えておくことで評価面談時に話し合うことが円滑になります。

新しい資格の獲得、セミナー・産業会議やコースへの参加、特別なプロジェクトへの関わり等も全て認知しておくべきです。これにより、より深く話し合いの場がもて、従業員の貢献度や前面談からの成長具合が見てとれます。

パフォーマンス評価の準備

個々の面談の前に協議事項の下書きを作成します。考慮すべきポイントは以下の通りです。

  • 個々の従業員の目標やKPIにどれくらい近づけたか
  • 優秀・得意な分野
  • 改善が必要な項目/分野:

従業員自身がパフォーマンス評価をすることも必要です。個々の従業員が自身の目標を達成したのか達成できなかったのかセルフ分析もシンプルで有効な手段です。もっと正式なSWOT分析を取り入れることも考慮すべきです。

  • 個人の強みと弱み
  • パフォーマンスを向上させる為にとった機会
  • 失敗・落胆からの学び、パフォーマンスにインパクトを与えたこと

職場で公になっていない課題やスタッフの訓練が必要な分野を明確にする良い機会となります。 パフォーマンス評価時に議論されるべき項目としては:

  • 従業員の仕事の質と特定の指標を満たす能力
  • 信頼性と時間厳守
  • リーダーシップ能力、コミュニケーション能力、チームプレーヤー能力(チーム順応能力)
  • 個人のキャリア目標に向けての進歩
  • イノベーションと問題解決スキル

メンバー1人1人にフォローアップ戦略を打ち立てることも重要です。

評価議論の最終段階では従業員の目標やキャリア志望を聞き、これらを成功させる計画へと発展させます。この姿勢が企業が社員のキャリア成長に関心があり、意欲的な印象を与えます。

パフォーマンス評価の記録例

従業員のパフォーマンスは記録しておく必要があります。

(記録内容の例)

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「△△さんはジュニア会計士として与えられた役割より、期待以上の働きぶりをしている。 仕事に対しての前向きな姿勢、プレッシャーにも強く、細部にまで目を張る熱心さ。
△△さんはチーム内での協調性にも長け、同僚の間ではリーダーシップも発揮している。 様々な特殊プロジェクトにも率先して参加し、多岐に渡るクライエントとの良好関係を築いている。 コミュニケーション能力もあり、自身のキャリア発展にも精力的。 しかしながらまだまだ発展余地があり、法的や税金要件の知識をトレーニングを通して習得できる。」

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パフォーマンス評価のヒント

パフォーマンス評価をより効率的にする為の方法と考慮するべきポイントは以下の通りです。

面談場所の配慮

従業員にとっては上司との評価面談は緊張するものです。会社での働きぶりを見られているわけですから、従業員にとってあまり神経質にならず落ち着ける場所を選ぶ必要があります。

カフェなどカジュアルな場所での面談はフィードバックされることに慣れていない従業員にとっても気負わず面談に臨めます。周りと距離があり、話の内容が聞かれないよう配慮も必要です。

バランスのとれた議論

面談では業務における貢献を労い、ポジティブな点を具体的にあげてフィードバックすることでモチベーションアップに繋がります。具体的なことをあえて言及することで、マネージャーが従業員の仕事状況をどのくらい把握しているのか、どのくらい目にかけてもらえているのかが伝わります。 ポジティブな内容の後、改善点(ネガティブ内容)の話題に移ります。批判的にならず、具体的な改善点をあげることでメンバー全員に内容を周知する機会にもなります。弱みや改善点を上げたら、解決策としてのトレーニングや能力発展の機会を与えましょう。

適切なパフォーマンス評価面談が行われれば、会社における従業員のキャリア発展がより明確になり、仕事へのやりがいや愛着、優秀な人材のリテンションにつながります。