従業員の努力が報われていることは企業の魅力となり、優れたスタッフの維持にも繋がります。一般的に年に一度給与の見直しが実施されますが、実施期間以外に昇給の申し出がある場合があります。

マネージャーとしてどのようにその場を乗り切るのか、昇給が可能でない場合どのように従業員を説得すれば良いか方法を見ていきましょう

昇給の要望への対応

従業員が何の前触れもなく昇給を要求してきたら、給与を見直すには段階が必要なことを理解させましょう。どんな状況下であろうと、金銭的な話題はストレスになりやすいので、誠実な対応を心がけましょう。

なぜ給与アップを望んでいるのか、時間を作り理由を聞きましょう。勤務時間外に自ら資格を取ったのかもしれません。若しかしたら、最初の職務内容よりはるかに重大な責任/業務内容を日々課せられていて不満を抱いているのかもしれません。

昇給の検討

昇給希望の理由を理解したら、実際に昇給が可能かどうかの確認です。
従業員の個人データを手元に用意し、任せている業務内容・現在の給与・関わっているもしくは関わる予定のあるプロジェクトを洗い出します。 様々な要因が給料アップの判断材料になりますが、どのような場合かみていきましょう。

  • 任している業務以上の仕事ぶりをしている
  • 常に学ぶことに貪欲で向上心が旺盛
  • 期限を重視し、仕事をこなす
  • やる気のある姿勢で、他のメンバーのモチベーションを高める
  • 最良の方法で任務をこなす

現時点での給与レベル

給与交渉に入る前に同じ職務内容で、業界の給与水準を確認します。

ロバート・ハーフの給与ガイドをご参照ください。
従業員の給与を決定する為の判断材料としても、スタッフ自身が業界の動向を知る上でも役に立ちます。 例えば、従業員が業界水準以上に給与を貰っている事に気づく機会にもなります。

昇給のリクエストを受けた旨の通知

給与交渉の経過が明白になるよう個人面談の日時を調整し、議論をする場を設けます。
昇給の採決がとれたら従業員の貢献を称え、新しい年棒の提示と理由について述べます。分かり易く、具体的にどのような貢献があったかについて言及しましょう。
面談を終えたら、正式に書類で新しい契約内容を提示し、必ずコピーを取ります。

給与アップが可能でない時の対処法

給与を上げたくても現実的に不可能な場合があります。会社の経済的な理由で労働賃金に予算を大幅に組み込めない場合や賃金を上げても従業員のパフォーマンスの保証が必ずしも見込めないことがあげられます。

前述の手順のように個人面談を設け、今回どうして期待に沿えない結果になった旨を説明します。従業員からの質問にも答える時間を確保し、双方が納得のいく面談ができるようにします。 場合によって金銭的以外報酬の代替案があるかもしれません。非金銭的な報酬として、会社の車を移動手段として使えるようにしたり、フレックスタイム制、在宅勤務や充実した福利厚生を提供したりすることも良いでしょう。企業への忠誠心が芽生え、離職を考えさせないようにすることが可能です。

また、従業員に会社の給与システムについて理解を深め、どのような段階を踏む必要があるのかも理解して貰いましょう。給与交渉リクエストは丁重に受け、会社の為に付加価値や貢献してくれる従業員に対して誠実に対応することが必要です。

定期的で明白なパフォーマンス評価を実施し、従業員に今の給与水準について話し合いやすい場を設け、従業員の優れたパフォーマンスや業績アップへの貢献へはそれなりの対価が望めるような職場作りが大切です。